2日程かけて、ボディの清掃をした後、ペグに潤滑油を入れ、錆びた弦を外し新弦に替える事ができた。

 

音出ししたが、高音部低音部共に少し異次元の世界。残念ながら私の言葉では言い表せない音色音質である。とても魅力的な美しい音で非常に反応良く鳴る。Brevettato以外のVinacciaとは音色は大きく異なり、似たような音ではないように感じます。

Brevettatoの特徴である内部に貼り付けた菱形と四角のパッチの効果もあるのだろうか。

指板とフレットもオリジナルだが、幸いあまりビビる箇所はなかった。それにしても指板は薄く、19世紀のVinacciaのようだ。20年代くらいからVinacciaの指板は厚くなり、現代のものとそれほど変わらなくなるのだが、これは敢えて薄くしたのだろうか。同じBrevettatoでも二本線モデルやビーナスヘッドのモデルはオリジナルでも厚めだ。指板が薄いので、ネック自体も厚みがない。弾きやすさの点からはもう少し厚みが欲しいところだ。

 

ブリッジもオリジナルで現代のような仕様ではない。この為音程は現代の楽器より劣るようだ。ただ、G線部分のみサドルを後ろの位置にずらしており、当時の楽器としては画期的な試みである。このようなブリッジは過去に見た。そうガエタノが1911年に作ったマンドラを入手した事があるが、その時のブリッジもこのような仕様だった。

GAETANOmandolinがガエタノマンドラに化けた! | オールドマンドリンのある小部屋 (ameblo.jp)

 

従ってこのBrevettatoのブリッジはガエタノの意向が反映されているとの証拠でもあると言えるのです。恐らくブリッジにとどまらず楽器全体の構造を考案したのもガエタノでしょう。

 

ところで、このモデルのヘッドにある六方向に広がる放射状のインレイを以前から気になっていました。何かの紋章のように見えます。調べましたが、イタリアの家紋の中にはこのインレイの形に似たようなものもあります。家紋としたらVinaccia家のものなのか?入手したので、どうしても知りたい気にかられたのですが、これを知っている人物はいないか?

イタリア人でオールドマンドリンの様式を取り入れて新しい楽器を作っているリッピ氏だったら、知っているのではないかと思い、失礼を顧みずメッセンジャーで聞いてみました。

回答は

紋章を持っている家はイタリアでは高貴な階層でVinaccia家ではありえない。

当時のマンドリン装飾の典型的なものです。

との事でした。うーん残念紋章ではなかった訳です。しかし、紋章のように見せて、とても威厳のある雰囲気にこの楽器を演出しています。ヘッドにクラシコAや5bisのような大きな突起物がないので、このインレイでアクセントを付けたかったのでしょう。

 

Vinaccia Brevettatoの音見本だが、私の演奏ではなく、プロの先生方の演奏動画を紹介するつもりだ。