リブ彫り込みのVinaccia1893年の古い弦を取り払い、今日新しい弦に替えてみた。

素晴らしい!特にE線の音色が綺麗で、全体的に良く鳴る。

ただローポジの弦高が高いのでナットの調整が必要だ。

 

キンキン良く鳴り反応の良い楽器を良しとしがちだが、このように品のある音質を持つ楽器は稀で、同じ曲を弾き比べると差は歴然とします。

それまで良しとしていた楽器も小さく見えるようになるのです。

 

ところで、Vinacciaの彫り込みリブモデルはすでに持っていて、時代も1900年前後のものなので、大きく違わないと思っていたが、どうもそうではなく胴の大きさが違う。今まで持っていたのはバタフライのピックガードがある楽器。ラベルは販売者のラベルが半分覆っているので製作年が見えないが、ネットで同じモデルのものを確認すると1900年前後。今回のモデルと10年も違わない。でも胴体の大きさ形が違うのは明らかだ。

 

そこで双方の胴のサイズを計測した。ガエタノ以降の新しい楽器1925年も手元にあるので、三者を比較してみた(単位センチ)。

 

          1925年     1900年前後     1893年

胴長        31.0        32.5        31.0

胴幅        19.5        20.0        20.5

胴の厚み     24.0        25.0        24.0

 

明らかにバタフライモデルは大きな胴体だ。1925年も1893年もほぼ胴の大きさは変わらないが、1893年はかなり幅広。

年代によって胴の大きさが変化するのかというとそうでもない。バタフライモデルとほぼ同時期のカルロムニエルモデルは小ぶりだった。

https://ameblo.jp/oldmandolin/entry-12506176759.html?frm=theme

 

 

時代の変化で変わっているのでなく。モデル毎に変えている。メーカー名で特徴を特定する人は結構いるが、それは同意しかねる。

 

なので、胴の大きさでメーカーを特定する事は出来ないが、拘る楽器商も過去にいたのは残念だった。特にVinacciaは年代毎に多様なモデルが作られているので、鑑定する場合は同時期の同じモデルもしくは類似モデルとの比較で判断されるべきだと思う。