相変わらずマンドリン独奏曲ばかり弾ているが、人前で弾く機会も出てきて、レパートリーを増やすべく新たな曲に挑戦している。

曲は「東洋の夢」。挑戦するにあたってお手本となる演奏を聴こうとユーチューブを検索したが海外国内とも見当たらない。

大概の曲は海外で多く投稿されているので、あまり海外ではメジャーな曲ではないのかもしれない。ただ国内では、かなり昔から発表会などで演奏されている曲だ。それには訳がありそうで、かってマンドリンオリジナル楽譜本があまり多く出版されてなかった時に出版された楽譜本(マンドリン 世界の旋律)にこの曲が掲載されているからだろう。私も大学卒業してすぐの昭和50年代初めこの楽譜本を古本屋で手に入れた。手に入れた当時も結構ボロボロで恐らく昭和20年代か30年代に出版されたのだろう。この曲かなり難易度高く当時の私の技量では無理で、保留にしたまま何十年も経過してしまった。

ユーチューブに投稿されてないので、お手本なしで練習してきたが、こんな感じでよいのだろうかという不安があった。そこでCDとかないかと検索したところ、8年前くらいに販売開始されたCDにこの曲があるのが分かり、数日前に手に入れた。

高柳未来という若き女性奏者のファーストアルバムである。クボタ・フィロマンドリーネン・オルケスターのコンマスで第22回マンドリン独奏コンクール入選という経歴だ。CDを聴くとテンポも音のブレもなく、非常に綺麗なむらのないトレモロで音量のコントロールも素晴らしく「上手い」。

特に後半部分の旋律を流れるように自然に弾いており見事だ。この曲以外にもモンティのチャルダッシュ第二番とか萩原朔太郎の機織る乙女とか珍しい曲も収録されており必聴だ。

このCDを発売された直後は随分注目されたような記憶があるが、それ以降の活動の軌跡がネットを見てもない。普通なら、このようなCDを売り出した後は演奏会などを頻繁に開催するのだが。またfacebookやツイターにも自ら投稿してPRするものだが、彼女の名前で検索してもひっかからない。結婚されて子育てでもされており演奏活動を休止しているのだろうか?私だけでなく他の方も気になっている方がいるのではないだろうか?知っている方は知らせて欲しい。もし演奏活動されているなら生演奏を聴いてみたい。

 

ところで曲の方に話を戻すと、作曲家のドウニスはギリシア生まれで、少年時代から注目されていた天才マンドリニストであったようだ。この曲はカラーチェの娘マリアに献呈されていようだが、カラーチェからはあの第二前奏曲が彼に献呈されている。それほどにカラーチェも評価していた演奏家だったようだ。東方との接点であるギリシア生まれのせいかトルコ以南の中東音楽の影響を受けた曲と思われエキゾチックで情熱的な部分もある。個人的には少しデフォルメし強調した方が異国ぽく聴こえるように思う。もちろん高柳氏の演奏は楽譜に忠実で素晴らしいが、私は少し味付けをして「美味い」演奏を目指したい。

楽譜を見ると難しそうだが、いざ弾いてみると技巧的にはほとんど難しくない感じがする。しかし、3連符と八分音符がいろんな組み合わせで出てくるので少し戸惑う。後半の十六分音符の歌い方とテンポの合わせ方も難しい。メトロノームで合わせる練習が不可欠な曲かもしれない。

 

下はCDジャケットと楽譜本の写真。楽譜は酷くボロボロでバラバラ状態になってしまった。ちなみに「愛の喜び」(パパレロ)や「夜の鐘」も掲載されているが、これらの曲も日本ではよく演奏されるが、海外のユーチューブでは見かけないのである。

 

<追記>

この楽譜本の発行年が確認できました。1960年でした。なので約60年前。これ以降マンドリンの先生は生徒にこの楽譜で教えたであろうから、ここに掲載された曲は日本では根付いたのかもしれない。