次なるカラーチェの前奏曲を弾こうと、カラーチェマンドリンアルバムの楽譜の第五前奏曲を見ていたら、このピッコロガボットが前ページにある事に気づいた。何十年も前の学生時代に竹内郁子さんのLPを聴いていて、左手のピッチカートの部分が綺麗で感動した覚えがある。ただ、出だしのガボット部分はあまりにも可愛らしく、男子が弾くには似合わないと勝手に思っていて今まで弾いていなかった。今回試しに弾いてみたら、最初のガボットの所は初見でもある程度弾けたので、これを物にしてから、前奏曲に立ち向かう事にした。

この曲最初から16小節目までのガボットに続き、左手のピッチカートが入る間奏が続く。ピッチカートが上手くいけば、さほど難しい箇所ではない。何度も弾いてみたが、コツは弦に垂直にはじく事だと改めて感じた。フレットの上をなでるようにはじけば、どんな指であろうとムラのない音が出る。楽譜には指の指定まではない。自分がやりやすいポジションで左手の運指を考えればいいだろう。手の大きさ、柔軟度、形は人それぞれだから、弾き易いと思った運指でやればいいと思う。ただ、指が弦に垂直にはじけるよう考える必要はあるだろう。YouTUbeにはこの曲の動画がいろいろ投稿されている。確認してみたが、人それぞれの運指だ。特に左手のピッチカートでの指はバラバラだった。
このピッチカートの間奏の次にまた16小節のガボットが入り、また間奏。この部分はコケテッシュな所で、楽譜通りでなく、奏者の意思でテンポ含め自由に弾いた方が面白くなるだろう。少し装飾音つけたり、編曲してもいいかもしれない。ここだけでなく、肩の力を抜いた優しい曲なので、テンポも微妙に動かしたりして聴いている人の心を解きほぐすように気楽に弾いた方がいい。そういう意味で難しい曲を普段弾いている大先生より素人の方が上手い演奏が出来るかもしれない曲だ。この間奏の後にまた16小節が続き終わる。

今出ているYouTubeをいろいろ聴いてみたが、優しく心に訴えるのは、上の動画だ。とても自然に温かく曲に向き合っている。フランス人らしい、お勧めの動画だ。