カラーチェの前奏曲15番の次に何番を弾こうか考えていたが、15番と同じ頃作曲されたと思われる14番にした。
15番と同様に内省的な美しい曲だ。
後期のもので、熟年に達した為か、前期のようなエネルギッシュな力強さや俊敏さを感じさせるような曲想ではない。最後まで淡々と語りかけ静かに終わるような感じだ。拍手狙いの曲ではない。深い味わいを演奏中もその後もじんわりと感じさせる大人の曲だ。
もうすでに練習に取り掛かり毎日数小節づつ繰り返し練習しては次に進めている。奇をてらった技巧的な部分はないが、上のメロディーと下の伴奏を明確に分離させ、かつ的確に響かせる事が求められる。練習で弾いているとメロディは美しく伴奏は巧妙に配置され相乗的な効果を感じる。弾きながら聴いた方が、良さが感じられるかもしれない。派手な曲ではなく、きっと若い人は敬遠する曲だろうが、こんな奥の深い曲はない。
演奏上気をつけたいところは、テンポが遅く、変化は乏しく平板になりがちなので、アクセント記号や強弱を気を配ってメリハリをつける事だろう。そういう意味でYouTubeの模範演奏よりいい演奏を目指したい。