一番最初のはAlison Stephensという6年程前に若くして亡くなったマンドリニストの演奏。曲は無伴奏バイオリンパルティータ第二番の中のジーグ。シャコンヌの前の曲と言った方が分かりやすいかもしれない。軽やかで華麗な演奏だ。重音もない為かシャコンヌほど重くない感じなので、こちらの方がマンドリン向きだと私は思う。
この動画を見た時、どこかでよく聴いた曲だと思ったが、バイオリンを夢中で弾いていた若い頃、よく弾いていた曲だった。特訓してきたカラーチェの第二番もだいぶ形になり、次なる前奏曲を何番にするか思案中なので、決まるまでの間挑戦しようと思っている。
この動画を見た直後に今度は二番目の動画をたまたま見る機会があった。こちらもリズミカルで歯切れよくマンドリン向きだ。曲はパルティータ第三番のプレリュード。

両方共トレモロも重音も必要なくハイポジも使わない曲だけど、かなり難しい。左指の練習にはいいだろう。これらの曲で最も注意しなければならないのがスラーの扱いだろう。バイオリンならひと弓で弾けるのだが、マンンドリンはそうはいかない。けれどスラーがかかっているように弾かねばならない。なのでピッキングをよく考えて弾く必要がある。曲の初めから終わりまで全てを単純にダウンアップの繰り返しで弾いてはならないと思う。

今ピッキングに注意してジーグに挑戦しているところだ。マンドリンのオリジナル曲とは一味違う音の世界だ。マンドリンでも目の前にBachの崇高な世界が展開出来るのだ。是非挑戦されてみてはいかがだろうか。私はバロック時代のピッチ415で弾いている。モーツァルトピッチの421で最初弾いてみたが、このくらい下げた方がBachの落ち着いた雰囲気が出るような気がする。