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久しぶりのオールドである。
Cristofaro、もう何回も手に入れてこのブログでも報告している。
なぜまたCristofaroなのか?

やはりこの外観スタイルが好きだ。今までのCristofaroは全て手放して手元にないし、フラットの一台以外は状態が悪く、きちんと弾けるようなものでなかった。たまたま状態の良さそうなものが出ていたので、
手に入れ、音を出してみたくなった。

割れもなく、ネックの反りもほとんどなかった。但し、薄汚く、ブリッジとナットが外れていた。
ギターポリッシュで磨き、ブリッジとナットを取り付け新しい弦も張った。

Cristofaroの場合ほとんどナットそのものとブリッジ内のサドルは金属である。あくまでフレットと同じ素材に拘ったのだ。確かに獣骨や象牙とは音色が違ってくるだろう。ただ、ナットはネックにはきちんと固定していない。ネックに置いてあるだけの状態で張力で固定するだけである。たしかに当時は金属と木材をくっつける接着剤なぞない。私は金属と木が接着できる強力接着剤で一度は取り付けてみたが、弦を張る段階で接着
が剥がれてしまった。なかなか相性は良くない。

さて肝心の音だが、やはり接点が金属同士の為か、音は柔らくなく、少し冷たいクールな感じの音色に感じる。
サウンドホールの中央に低音弦が位置するので、素晴らしく低音が綺麗に響く。カラーチェの第二前奏曲の中間部G線のみで速く弾く箇所も音が潰れず爽快だ。E線部分はサウンドホールの端なので、さぞ音の響きが乏しいと思っていたが、ハイポジションの最高音まで綺麗に鳴る。
音量も大きくパワーは相当ある感じがする。ただA線の音色だけは無味乾燥ぎみで好きにはなれない。

ネックの幅はVinacciaとほぼ同じくらいありそうだ。普段細いEgildoを使っているが、ローポジでの重音を弾く時、どうしても指が隣の弦に触れ雑音が生じる事もある。この楽器くらいだとそういう事はないので、そういう面ではいいと思う。ただ、指板の傾斜がないので、セーハはやりにくい。どちらも一長一短ある。

力木は、E線側で膨らんでいるのが特徴のようだ。これでE線の音が随分と変わるのか?そういえばどこかで見たな?そう落合マンドリンがこんな感じだった。こういう大きな膨らみのある力木は当時のナポリでは少ないので、やはり外も内部も個性的だと思います。

なお、Cristofaroの内部構造については鶴田さんという職人さんによる詳しいレポートがネットにありますよ↓
http://www.crane.gr.jp/CRANE_repair/Mn_post.html

予告
近日中に次なるオールドを紹介します。
ヒント
この製作家の楽器は希少で、なかなか現物を見た人は少ない。しかし最近写真だけは見たマンドリン愛好家が非常に多い。