





普段Egidoを愛用していて、予備のEgldoをかねてより欲しかったからです。
今回のは状態もかなり良く、リブの剥がれを直して使いたいと思っています。
製作年は1922年。普段使っている1926年とほぼ同じモデルで、ざっと見る限り大きな
違いはないように見えます。
布製のソフトケースに入っていたせいか、汚れも傷も少なく、ニスが綺麗に輝いています。
とても100年近く前のものには見えません。こういうオールドは確かに存在するのです。
もちろん反りや表板の割れや歪みもなく、かなりいい状態の方でしょう。
あえて違いがあるとすれば、テルピースが違う事。26年は肘が当てられるような金属板があるの
ですが、ない。これはちょっと不便。昨年12月に手に入れた1932年製も金属板が付いていた
のに。
ところで、所謂アームガードはオリジナルのGelasやEgildoには付いていない。
Egildoでは1926製のようなテルピースと一体化した金属製板が付いているかテルピース近くの弦を包みこむだけの簡便な革製の肘当しか見たことがない。Gelasは同じような革製の肘当てのみ。ナポリのCalaceやVinacciaは立派な大きな肘当てが付くのになぜだろうと考えてしまう。(と言ってもCalaceやVinaaciaも初期の頃のものには付いてないが)
Embergherはどうでしたっけ?
Egildoと同じようにテルピースと一体化した金属板の肘当てで、当てる部分の面積は小さく、胴の端の中央部分に付いています。肘は、その中央部分にしか付けられないような感じです。
特に1920年代以降のCalaceやVinacciaはどうでしょう。廉価版でも大きく立派なアームガードが付いていて、肘が中央からずれていてもカバーできます。
ナポリ派(Calace、Vinaccia)とローマ派(Embergher、Egildo、Gelas)ではヘッドの作りやペグも違いますが、この点が違うのです。
恐らく彼ら製作家を支持した演奏家の奏法が違うからではないでしょうか。
肘を中央に付けて弾く奏法と、肘は軽く中央からずらして弾く奏法。前者は手首中心。後者は肘も動かす奏法ではなかったか?
Embergherの熱烈な信奉者ラ二エリの写真を見ると、確かに肘は中央部分にあります。
Calaceとかナポリの昔の演奏家の楽器を抱えた姿の写真を確認できないが、私の推測て的外れでしょうか?
肘を楽器の端の中央に持っていく弾き方なら、CalaceやVinacciaのような両脇に広がった大きくて立派な肘当てなんて不要で、かえって邪魔になるだけです。私自身そういう弾き方なので、そう思います。
まあ、真実はどうあれ、そういう見方もするとオールドマンドリンも面白いと思いますよ。