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マンドリンの将来について投稿したのだが、コメントもなく、反響もなく
残念です。本来はこういう内容マンドリンの指導層がきちんと書くべきも
のですが、そういう気概のある人はいないようです。

私なぞよりそういう方にきちんとした指針を示していただきたいものです。
そう思うでしょ?

まあ、こんなものです。将来のマンドリン界は暗澹たるものでしょう。

将来につなげる事を明確化し、リードし、広める事が今求められているのに
目先の事ばかりにとらわれていないでしょうか?
ブログやホームページを開設しているプロもいるけど、自分たちの演奏会のPRや日常の
事ばかり、、、、、

もっと将来を見据えた話してくださいよ。
情けない、、、

マンドリン界全体で一つの方向に向かわねばいけない時なのに。

断わっておきますが、以上のように書いたのは、プロの先生達に対する侮辱でも中傷でも
ありません。もっと奮起して、将来の事を考え行動していただきたいからです。
「少子高齢化」は甘いものではありません。海外から日本はどう解決するのか注視されて
います。人気の陰りあるマンドリン、このままではその影響で「過去の楽器」になるでしょう。


反響もなかったので、オールドマンドリンの話に戻します。

最近手に入れたVinaccia1895年(ローズウッド・右写真)。
でも、それより前にすでに1895年作のVinacciaを手に入れてました。
こちらはメープル(左写真)。

どちらもアメリカ人から手に入れたものです。

違いを見る為、並べてみました。
そんなものある訳ありません。ピックガードの形状は同じ(片方はセルロイドに変わっているけど)
ボディの膨らみも同じ。ヘッドの角度も。大きな違いはネックの太さぐらいでしょう。
メープルの方が太い。当時の一般的なサイズより太いですね。手が大きい人もいたので、太いネック
を用意したのでしょうか。Vinacciaとしては、、これは特に珍しいものでないようですが。
表板の材質は違って、ローズウッドの方が木目が細かいですね。

ローズウッドとメープルの2種類のVinaccia・Gelasを持つという贅沢。
お金がないのに上手く揃えられました。

ところで、いつも思うのですが、ブリッジが素晴らしい!
恐らくブリッジだけ作る集団がいたのでしょう
これ一本の黒檀の棒切れで作っているのですよ。こんな細かく、しかも薄く削って、、、
恐らく、これ一つ作るのに最低でも半日くらいかかったのではないでしょうか?
こんな部品に時間とられたら、本体の作成間に合わないから、Vinaccia自身は作らず
外注したと考えるのが自然でしょう。専門の職人なら、それに上手く作れるし。

ボウルだけ作る集団もいたし、装飾だけ受け持つ集団もいた。そういうナポリだったのです。
そうでなければ、猫も杓子もマンドリンに明け暮れた当時、需要に追いつかなかったはずです。

VinacciaやCalaceの工房なんて、組み立て工場なものだったでしょう。
下請け職人が作ったものを組み立てるしかなかったはずです。ロマンのかけらもないが、それ
が現実でしょう。需要が多い時代、今の自動車工場と変わらなかったと思います。

企画設計組み立て製品チェックは元受。その他は下請け。

「工房」などと言ってもクレモナのバイオリン工房とは訳が違うのです。
産業革命が広がった頃の工房であるという事を念頭に置かねばいけないのです。

だから、大きなメーカーを崇めるのでなく、それを支えた当時のナポリの職人こそ称えられる
べきものなのです。マンドリン作りはナポリの一大文化で、その職人芸を感じとるこそ重要で
あると思います。
(今だって大企業の製品を支えているのは町工場の職人芸なんですよ。)

Vinacciaいいですね、Calace凄いですねだけじゃ、ダメなんですよ!

GloboやStridenteなどその他のメーカーのもの含めて同じ職人さん達が共同で
作っている部分がある。だから一部のメーカーのものに偏って見る傾向があるのは残念です。
一つのマンドリン文化として横並びで見ると共通点も分かるし、ナポリマンドリン、ナポリの
文化的特徴も分かる。それを楽しむ事が重要ではないでしょうか?

そういう私も、ブランド偏重になっていた傾向もありました。でも意識的にそうしていけば、
背景となるイタリア文化を、もっと身近に感じられるのではないでしょうか。