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Embergherは売り払ってしまったが、Vinacciaは状態が極めて良いので、
本来の楽器の性能を発揮してくれるように思えたので、手元に残しました。

どうも正解だったようです。

この楽器、本当に綺麗な状態です。修復された跡があるので、楽器クリーニングをされ、ニス
が塗られたであろう事は想像できますが、それにしても綺麗です。小傷、打ち傷もほとんどな
い。100年以上経過していますが、新品のように見えます。うちの娘が、この楽器を見て、
「今度のは新品じゃない」て言った程です。

保存状態も良かったし、あまり使われなかったのでしょう。
細かく見ると、表板にクラックの直しがあるし、ヘッドの欠けを直した跡もあります。サウンド
ホールからのぞくと、奥の方はホコリが溜まってます。そしてなにより、サウンドホール周り
の窪み。いくら使ってなくても、弦圧には耐えられないのです。やはり100年は経過してい
ると判断せざるを得ません。

インレイやブリッジの形はVinacciaだけの特徴的なものです。どう見てもVinaccia
そのものです。もし、これがVinacciaのコピーだとしたら、逆に賞賛に値します。
木の材質も良く、ネック周りは薄い鼈甲が張られていて上質感もあります。

ところで、ブリッジの一部(弦を受ける棒)が入手段階ではありませんでした。そこで、手持ち
のノーラベルマンドリンのものを付けてみました、まったく同じ寸法で、すんなりとブリッジに
収まりました。
このノーラベルやはりVinacciaの影響を受けたイタリアのオールドとしか考えられませ
ん。

古い弦が付いていて、試しにE線を弾こうとしたら、切れたので、イグチさんからイタリア製の
ドガール弦(E線・A線)を取り寄せて、弦を張り替えてみました。

ピッチは製作時使われたであろうヴェルディピッチにし、ピックは当時の鼈甲製の大きめのもの
を使い、曲はもちろんムニエル。
うーんいいでえすね。普段Gelasを使って弾いていた曲が、やはり違って聴こえます。
中音域の音の厚み・深みが特にいいですね。そのせいか音のバランスがいいのか和音も綺麗に響
くような気がします。ただ、特にハイポジション側の高音域が硬い感じです。この辺りはGelas
に軍配が上がります。

D線G線は古い弦のままですが、特にD線A線の音が最高にいいです。この二つの弦を頻繁に使
う叙情的な曲に合う気がします。

という訳で、この楽器の虜にありました。さっそくイグチさんにG線とD線を注文しました。

そのうち、すでに所有している同じ1895年に作られたメープルのVinacciaと詳細を
比較してみたいと思います。

<2011年1月11日追記>
全てドガール弦にしてみたのですが、D線かなり荒い音がしました。前の古い弦の方がよかった
くらいです。そこで今度はベーシックなオプティマ赤にして今日弾いてみたら、非常に芯の強い
落ち着いた音が出ました。本当に楽器と弦の相性はわからないものです。いろいろ試さないとそ
の楽器に合った弦は見つからないものです。
とりあえず、EAはドガール、DGはオプティマ赤で弾いていこうと思っています。

とにかく、このVinacciaの音、E線は硬いが、それ以外は満足できます。ヤフオクなど
に出したら、今なら高く売れるでしょうが、今のところまったくそういう気はありませんね。