新年初めの音楽界の大きなイベントは、何と言っても
ウィーンフィルのニューイヤーコンサートだろう。

実はいつも気にしていて、ちらりとTVを見ている。
しかし、クライバー指揮以降は録画はしていない。
何故か?
あまりに堅苦しいワルツで、とてもリラックスできな
いからである。
バレンボイムもメーターもマゼールもムーティも生真
面目過ぎる指揮で楽しめない。演奏する楽員も固くな
っているのが画面でもよく分かる。
これじゃ伝統のワルツでないし、リラックスして楽し
めないので、「生真面目」に始めから最後までTVを
見たり録画する事もなかった。

今回は、フランスのプレートル。非常に期待できる人
選だ。10年以上前ベルリンフィルのピクニックコンサ
ートをTVで見て録画したが、これが非常によかった。
非常に情熱的な指揮で、しかも楽員も聴衆もりラック
スさせる態度、指揮ぶり。
今年85歳らしい。もうとうに亡くなったと思ってい
たが、そうではなかった。それどころか、昨日TVに
映っていたプレートルは。きちんと指揮台に上に立ち
指揮をしていた。指揮台の上に手すりもない。若々し
い指揮ぶりだ。

演奏は、期待していたように昔の良き時代のウィーン
フィルのワルツになっていた。
楽員もにこやかな笑顔が絶えなかった。
(毎年見ている人には違いが判るはずです)

今年気づいたのが、ウィーンフィルの楽員の構成。
弦楽器に女性楽員が目だってきた。
かってはベルリンフィルもウィーンフィルも男だけだ
ったのに時代が変わったものだ。
国籍も性別の垣根も取っ払われ、インターナショナル
化していくのだろう。昔を知る人間には、ちょっと寂
しい気がするが。

ところで、プレートルのような指揮。今は貴重な存在
だ。人間的な個性と言ってはそれまでだが。場所や曲
により、態度や指揮ぶりを臨機応変に変える事も今の
指揮者には必要な要素だ。
それが出来る大指揮者は、私が知る限りいないようだ。

アマチュアのマンドリンの合奏団なんか、堅苦しく弾
く曲でもないのに、怖い顔して楽員をにらみつけて指
揮する人もいる。「器が小さいね」と思って、心の中
で舌を出して、「ベー」しながら演奏する経験もあり
ましたね。
こういう人て結構いますよね?