前々回の投稿で、ピッチについて触れたが、実際どれくらいのピッチで
オールドマンドリン全盛期演奏されていたか最近興味深く考えていた。

あのオペラ作曲家のヴェルディが推奨したと言われる432HZのピッチ
がイタリア国内で1884年に法制化されている。この直後はちょうど
マンドリン好きのマルゲリータ妃の下マルゲリータ陛下マンドリン合奏
団が数多く演奏会を開いている。
王室が法で定められた掟を破る訳にはいかない。恐らく432HZで演奏
されたのではないでしょうか。王室の合奏団は、当時は模範とすべき存
在であった筈ですので、国内の合奏団や著名な音楽家は、当然ピッチも
これに合わせたと考えられるのではないでしょうか。

ロンドンの国際会議でA=440HZが国際標準と定められたのは、1939年
です。それまでは、イタリア国内では、恐らく432HZの方が一般的だったか
もしれません。
1884年から1939年の間約50年、この期間はちょうどオールドマンド
リン全盛期に重なります。多くのマンドリンオリジナル曲も作られたました。
従って、当時の作品を忠実に演奏するには、440HZより低い432HZで演奏
するのがよいのかもしれません。

もちろん使用する楽器は、手を加えられていないオリジナルの状態のもので、
ピックも当時使用されたものか、材質形状大きさが同じもの。ここまで徹底
して演奏する事で、当時の音楽が自然な形で表現されるかもしれません。

バロック音楽などでは、すでにオリジナル楽器で弓も当時の形のものを使用し
ピッチも変えて演奏する試みがされています。
オールドマンドリンについても、こういう試みをしてもいいかもしれません。
これをやる事で、新たな発見が譜面から浮かび上がることでしょう。

実際、440HZで弾くのと432HZで弾くのと、どれくらい違いがあるのか
私も試してみようと思います。恐らく同じ曲が随分と違うように聴こえるは
ずです。

賛同者がいれば、合奏団を作ってみてもいいのかも?
でも、その前に腕を磨かねば、、、、

<7月28日追記>
今日試しに、ピッチを低めにしてイタリアオリジナル曲を何曲か弾いてみました。
やはり感じが違います。こちらの方が自然に聴こえます。
皆さんも試してみてはいかがでしょうか。

<7月29日追記>
1859年パリ会議1885年ウィーン会議では435HZが標準音として決議さ
れています。フランスやドイツなどでは、こちらが主流だったのかもしれません。
いずれにせよ今の440HZより低く、同じ曲でも今聴くのと随分トーンが違って
いたはずです。

ピッチを低くするメリットはまだあります。
弦の張力が弱まる為、楽器に負担がかかりません。オールドマンドリンの寿命を
延ばすにはいいでしょう。また弦の金属疲労も緩和させます。特にE線は今までよ
り切れにくくなるでしょう。

演奏会などで、イタリアオリジナル曲を弾くなら、それらをまとめて1部とか2部
とかにし、440HZと異なるピッチで弾いてみたらどうでしょうか。

マンドリン界では、ピッチにこだわる人もなくピッチに関する議論もされてなかった
ようですが、オリジナル曲を弾く場合のピッチをどうするか、もっと真剣に考えても
いいと思います。5HZや8HZの違いて、大したことないと思う人もいるかもしれない
けれど、チューナーで確認すると結構あるものですよ。

考えてみると、19世紀末から20世紀初頭に作られたオールドマンドリンは、低い
ピッチで弾かれる事を前提に作られている筈です。従って、当時のピッチに合せて演奏
した方が、楽器がより良く共鳴し鳴り響くはずです。
私自身もこれからいろいろ試して検証してみるつもりです。

<7月31日追記>
私の以上の意見に対し、懐疑的な方もいるかもしれない。しかし、実際に当時のピッチ
で演奏すると、同じ曲でもまったく違った趣きの音楽になる。さらに、オールドマンド
リンもより共鳴するのです。
たった今435HZにしてGelasを弾いたが、表板が震え共鳴するのを感じました。440
HZで弾いた時は、こんな現象は起きなかったのです。
440HZに戻して弾く気にならなくなりました。