
最近使用している鼈甲製のピックの先が磨耗して、割れた音質になってきたので、IK楽器店で新しく購入し弾いてみました。弾き始めは、まるで別の楽器を弾いているような感触でした。ピックを変えただけで音はこんなに良くなるものかと改めて思いました。ピックの良し悪しで音や演奏のし易さが変わってきます。マンドリン本体だけでなく、ピックにもこだわるべきだと思いました。最近は合成樹脂のピックを使用している人が多いのですが、あんなフニャフニャな物で芯の通った音が出るのか不安になります(考えが古すぎるのでしょうか?)。やはり鼈甲が最高なような気がします。ところで、オールドマンドリン全盛期のピックはどんな物だったのでしょうか?実は私は、その当時の物かもしれないピックを持っています。以前持っていたノーラベルのイタリアンオールド(まったく演奏不能な壊れきったジャンク品)に付いていたピックです。鼈甲製ですが、今の物より大きく、大柄な西洋人に合いそうなピックです。オールドマンドリンは流通していますが、その当時のピックとなると、なかなか手に入らないので、大切に持っています。これを使ってオールドマンドリンを弾くと、当時の音が正確に再現できるかもしれません。ピックがあってこそ音が出るわけですから、オールドマンドリン本体だけでなく、ピックについても研究していかなければいけないと思います。この件については、オールドマンドリンを扱う楽器店もまったく考慮してないのではないでしょうか。オールドマンドリンを演奏する人もまた、まったく考えていないで演奏しているのではないでしょうか。バイオリンで言えば弓にあたります。オールドバイオリンを弾く演奏家の中には当時の時代考証を考え当時のスタイルの弓で演奏する人もいます。ピックの形厚み大きさで驚くほど音が変わりますので、ピックにも目を向けて欲しい気がします。当時のピックをコピーしたものでも手に入るなら、もっとオールドマンドリンの演奏は面白くなるかもしれませんね。写真左がそのピックです。右の今のものと比較して見てください。