アメリカでは今カントリー・ソングブームだそうです^^
カントリー・ソングはアメリカ南部・農村部の伝統音楽をルーツにしたポピュラー音楽と言われています。
歴史としては古く、19世紀末〜20世紀初頭のアメリカ南部では、ヨーロッパ系移民が持ち込んだ音楽と、
アメリカで発展したブルースなどが混ざり合ったものです。
またフォーク、ブルーグラスをルーツに持ち、商業音楽とて発展した音楽とされます。
ただ、カントリーはポップ、ロック、フォークなどとの境界が時代によって変わる
ので、線引きは困難です。
アメリカのビルボードは「音楽的にカントリーだからHot Countryチャートに入る」という単純な仕組みではありません。
ここでビルボードの仕組みについて簡単に説明しておきます。
Billboard Hot 100はジャンルを問わずアメリカで人気のある曲を集計します。総合チャートといったものです。
従って他のジャンルと被ることが多い。(私のブログでは単に全米〇位と表することがほとんど)
Pop Airplayはポップ系ラジオ局でのエアプレイ(放送)を集計
Hot Country Songsは カントリーというジャンルに分類された曲について、
ストリーミング・ラジオ・売上などを総合して集計(今回のブログでは重要なチャートですが、カントリー・チャートと
表記します)
Country Airplayはカントリー系ラジオ局でのエアプレイを集計
ですから、Hot100で1位になった曲がカントリー・チャートでも1位になることはあります。
つまりビルボードの代表的なHot 100はジャャンル横断型でストリーミング、ラジオ、売上を組み合わせてアメリカ全体での人気を測るのものです。今回はカントリー・チャートを注視しました。
日本では、すぐに浮かぶカントリー・ソングと言えば、1971年リリースされたジョン・デンバーの
「故郷へかえりたい(カントリー・ロード)」かもしれませんね^^
ジブリの映画でも使われたのでよく知られています。
しかし全米ポップチャート2位を記録しながらカントリー・チャートでは50位に留まりました。
John Denver – Take Me Home, Country Roads
https://youtu.be/IUmnTfsY3hI
代表的なカントリー・ソングを年代を追って聴いてみましょう。
1960年代は伝統的カントリーとポップスの融合が進みはじめた時期ともいえます。
ハンク・ウィリアムス - ジャンバラヤ
カントリー・シンガーのウィリアムスが1952年にリリース。
カントリー・チャート1位。カーペンターズはじめ多くの
アーティストがジャンルを超えてカヴァー。
Hank Williams - Jambalaya( on the Bayou)
https://youtu.be/xnKOVPXhlnE
ジョニー・キャッシュ - リング・オブ・ファイアー
フォーク、カントリー歌手アニタ・方ーターが1962年録音
大ヒットさせたのがカーターの夫となるジョニー・キャッシュで
1963年リリース。全米17位、カントリー・チャート1位
Johnny Cash – Ring of Fire
https://youtu.be/1WaV2x8GXj0
1970年代はポップスやロックへ近づいたカントリー・ポップやカントリー・ロックの流行があり、
イーグルスやリンダ・ロンシュタットなどのロック・アーティストがカントリーの要素を入れるようになりました。
ドリー・パートン - ジョリーン
自身の作品で1973年リリース。
全米60位(再販で16位)、カントリー・チャート1位。
1976年オリビア・ニュートン=ジョンのカヴァーは日本でも売れた、
Dolly Parton – Jolene
近年はビヨンセよるカヴァー。歌詞と解釈を変更し日本で再び注目された。
全米7位、カントリー・チャート3位
Beyoncé – Jolene
また、ジョリーンは同タイトル・アルバムに収録されているが、
そのアルバムには「オールウェイズ・ラヴ・ユー」も収録。
カントリー・チャート1位。
ご存じのように1992年にホイットニー・ヒューストンがカヴァーし、
同年公開の映画『ボディガード』の主題歌と使われ世界的大ヒットとなった曲。
個人的にはこのオリジナルのほうが好きです^^
Dolly Parton - I Will Always Love You
1970年代といえば、あのクイーンもブライアン・メイの作品で
カントリー、フォーク調の曲を録音している。
1975年のアルバム『オペラ座の夜(A Night at the Opera)』収録
Queen - '39
ウィリー・ネルソン - いつも心に
ウェイン・カーソン、ジョニー・クリストファー、マーク・ジェイムスの作品
1972年にブレンダー^・リーが最初に録音、その後エルヴィスなどもカヴァー。
1982年にネルソンがカヴァー。全米5位、カントリー・チャート1位。
また1982年度年間カントリー・チャート1位。
グラミー賞でも最優秀楽曲賞、最優秀カントリー楽曲賞、最優秀男性カントリー・ボーカル・パフォーマンス賞を受賞
Willie Nelson – Always on My Mind
1980年代は伝統的なカントリーへ回帰するネオ・トラディショナルの流れが強くなる一方、
ジャンルを超えたクロスオーバー・ヒットも多くなります。
例えば1983年ケニー・ロジャースとドリー・パートンのデュエット曲
「アイランド・イン・ザ・ストリーム」が大ヒット。全米1位、
カントリー・チャート1位、ACチャート1位。
全英7位他ヨーロッパ各国で大kヒット
Kenny Rogers & Dolly Parton – Islands in the Stream
ジョージ・ストレイト - アマリロ・バイ・モーニング
オリジナルは作者のテリー・スタッフォードが1973年リリース。
ジョージ・ストレイトが1983年カヴァーし、カントリー・チャート4位を記録
George Strait – Amarillo by Morning
1990年代はカントリーがポップ市場でも巨大になった時代と言われています。
この年代で人気を博したのがカントリー・ソングライター、ガース・ブルックス。
リリースしたアルバムの売り上げ総数がエルヴィスを超えたことでも注目されました。
ガース・ブルックス - ザ・ダンス
1989年セルフ・タイトルのファースト・アルバムから1990年シングル・カット。
カントリー・チャート1位
Garth Brooks - The Dance
ガース・ブルックス - フレンズ・イン・ロウ・プレイシズ
彼の作品でもっとも売れたシングルで1880万以上セールスしている。
カントリー・チャート4週連続1位。1990年アルバム『No Fences』に収録
Garth Brooks – Friends in Low Places
2000年はカントリーとポップの融合を担うアーティストが台頭する。
2000年になると注目すべきアーティストが登場した。
カントリー歌手として2007年にデビューし、後にポップへ大きく転向した人物
それは、カントリーから世界的ポップスターになったテイラー・スウィフト。
テイラー・スウィフト - ラヴ・ストーリー
2008年全米1位を記録したアルバム『Fearless』からの先行シングル。
自身の作品、全米4位、カントリー・チャート1位。世界的なヒットとなった。
Taylor Swif - Love Story
テイラー・スウィフト - ユー・ビロング・ウィズ・ミー
また同アルバムからシングル・カットされた次の曲も
カントリー・チャート1位となり全米2位。
自身とリズ・ローズの作品
Taylor Swift – You Belong with Me
もう一人、注目すべきアーティストは、キャリー・アンダーウッド。
キャリー・アンダーウッド - ジーザス、テイク・ザ・ホイール
TVのオーディション番組からデビューした、カントリー歌手。
2005年デビュー・アルバム『Some Hearts』はリリース後あっと言う間に全米1位を
記録し、シングルカットされた本曲は全米20位、カントリー・チャート1位
Carrie Underwood - Jesus, Take The Wheel
以上聴いてくると分かるように、カントリーもロックやポップの影響を
受けたものが多くなり、2010年代は他のジャンルとの境目がますます曖昧になります。
その一方ルーツへの回帰を目指すアーティストも登場してきます。
クリス・ステイプルトン - テネシー・ウィスキー
オリジナルは1981年デイヴィッド・アラン・コーがリリース。
2015年カヴァーリリース。カントリー・チャート1位
Chris Stapleton – Tennessee Whiskey
ビービー・レクサ - ミーン・トゥ・ビー
全米2位、カントリー・チャート1位、世界的な大ヒット。
Bebe Rexha - Meant to Be
2020年以降はカントリー、ポップ、ヒップホップ、ロックなどの
ジャンルの境界がますます曖昧になってきます
エラ・ラングレー - チュージング・テキサス
2026年を代表する超大型ヒット。
2025年全米1位を記録したアルバム『Dandelion 』からのシングル・カット
全米1位、カントリー・チャート1位、ACチャート8位
他にオーストラリア、カナダ、アイルランド、ニュージーランド、イギリスといった、主に英語圏のチャート
(全ジャンル対象、売上・ストリーミング合算、およびジャンル別チャート)でも首位を獲得。
Ella Langley - Choosin' Texas
ビヨンセ - テキサス・ホールデム
2024年全米1位を記録し世界的大ヒットしたアルバム『Cowboy Carter』からの
シングル・カット。欧米で記録的大ヒット。全米1位、カントリー・チャート1位
R&Bチャート19位。
アルバムはグラミー賞年間最優秀アルバムと最優秀カントリー・アルバムを受賞
Beyoncé – Texas Hold ’Em
シャブージー - ア・バー・ソング
カントリー+ヒップホップ/ポップの融合系。
シャブージーは上記のビヨンセのアルバムにも2曲提供している。
2024年リリースした「Tipsy」をサンプリングした曲
全米1位、カントリー・チャート1位、カントリー・エアプレイ1位
世界的な大ヒットとなり、Billboardの2025年度年間Hot Country Songsでも1位でした。
Shaboozey – A Bar Song (Tipsy)
ポスト・マローン と モーガン・ウォレン - アイ・ハド・サム・ヘルプ
ポスト・マローンはロック、ヒップホップ、R&Bのアーティスト・
モーガン・ウォレンはカントリーのスター。
2024年リリース。初登場で全米1位
他にカントリー、カントリー・エアプレイ、ポップ・エアプレイにおいても1位
Post Malone & Morgan Wallen – I Had Some Help
最後に2020年代に注目すべきアーティストがいます。
現在のカントリーブームを牽引していると言っても良いと思います。
カントリー・シンガー・ソングライター、モーガン・ウォーレンです。
2018年デビュー後アルバム、シングルの大ヒットを連発する。
2018年デビュー・アルバム『If I Know Me』がカントリー・アルバムチャート1位
2021年12枚目のアルバム『Dangerous: The Double Album』は初登場全米アルバム1位(7週連続)、
カントリー・アルバムチャート1位。収録30曲のうち19曲がチャートインする
2022年にリリースしたシングル『You Proof』と『Thought You Should Know』は
カントリー・チャート1位。
2023年には上記の2曲を収録したアルバム『One Thing at a Time』は初登場アルバムチャート1位で
全米16週連続1位となり、この10年間で最も長く1位を獲得したアルバムとなった、
もちろんカントリー・アルバムチャートでも1位。
さらにアルバムに収録されていた36曲すべてがHot 100にチャートインという偉業を達成。
アルバムからシングル・カットされた3枚目のシングル『Last Night』は全米16週連続
1位となった。(カントリー・チャートも1位)
では代表的な曲を
Last Night
2023年リリース。
全米1位、カントリー・チャート1位、カントリー・エアープレイ1位
Billboard JAPANの「Hot 100」でも1位
https://youtu.be/bUjPPBxbQrQ
You Proof
2022年リリース。
全米5位、カントリー・チャート1位、カントリー・エアープレイ1位
Billboard JAPAN Hot 100で8位
https://youtu.be/3CkLMG5NwUg
Thought You Should Know
2022年リリース。
全米7位、カントリー・チャート1位、カントリー・エアープレイ1位
Billboard JAPAN Hot 100で7位
https://youtu.be/Dw9VmOLwxoM
という訳でだいぶ端折りながら書いてきました。
カントリー・ソングはアメリカ音楽に深く根付いており、
他のジャンルと融合ながら今も進化し続けているいということです^^
以前のカントリーと言えば「南部・地方・中高年」というイメージから
ポップ、ヒップホップ、TikTok文化まで飲み込み、若者にも受け入れられ、
現在に至るとぃうことでしょうか^^
