北海道旅行記
七月4日(水)~8日(日)の4泊5日、家内と共に近ツリの北海道ツアーに参加した。5月には沖縄を訪ねたが、一転して今度は北海道。すべてこれ小生の体が動かなくなるまで、ガイドとしてこき使うという家内の謀略である。この次はハワイへ行くなどと言い出すのではないかと怖れている。
7月4日11:30、羽田を飛び立ったJAL521便は、13:00新千歳空港に到着。14:00バスで空港をあとにする。総勢47名。花に囲まれた美瑛町の新栄の丘を経由して、一日目の宿泊地・層雲峡温泉へ向かう。途中は見渡す限り緑の大地。これぞ北海道の源風景。かつて旅をしたドイツの風景を思い出した。ホテル層雲という宿に入って驚いたことは、部屋のエアコンの冷房が効かないことである。北海道は真夏でも温度は18度以下と相場が決まっていたため、冷房は不要であった。今は地球温暖化で内地よりも温度が高い。現にこの日も26度。暑いのを我慢して休む。
二日目は午前中旭山動物園で時間をつぶし、午後はサロマ湖、ワッカ原生花園で散策。幸いお天気は晴れ。最後は網走番外地。旭山動物園はツアーの目玉らしいが、殆どの動物たちは客に無関心。涼しい木陰に陣取って昼寝三昧。ワッカ原生花園では、浜茄子の花は殆ど終わっていたが、地平線に沈む夕日がうつくしかった。
網走番外地では、かつて明治の頃、多くの政治犯たちが、過酷な開拓労働に血と汗をしぼられたところ。仲代達也と岩下志麻が主演し、森進一が首題歌を歌った「北の蛍」というエロチックな映画を思い出す。
三日目、小雨の中、午前中は知床ウトロ港から遊覧船で出発して知床半島北側の人を寄せ付けない断崖の連なる風景を見物。「乙女の涙」という滝やアイヌ語で「湯の滝」をいみするカムイワッカの滝などが目を楽しませる。船から降りてバスでオシンコシンの滝を見物。今日の宿泊地・川湯温泉へ行く途中、摩周湖で小休止したが、それまで霧に包まれていて何も見えなかったのが一瞬霧がはれて神秘的に美しい湖が見えたときは感激した。
四日目、快晴。今日の行程は長いので30分早く7時半に出発。最初に訪れた野付半島では、一面にハマナスやハマキスゲやヒメアヤメなどが色とりどりに咲いていて美しかった。バスの中で弁当を頂き、日本の最東端になるという納沙布岬の灯台の向うに遥か国後の島影が霞んで見えた(写真参照)とき、北方領土への思いが急に沸いてきた。このあと世界遺産・釧路湿原のある釧路平野を丘の上から眺め、最後の宿泊地・十勝川温泉へと向かう。そこの十勝川国際ホテルの夕食で飲んだ十勝ワインは美味しかった。
五日目、ツアー最後の日は8時にホテルをあとにし、日勝峠を越えて夕張に至り、ここが最後の休憩地。夕張はかつて炭鉱で栄えた街。今の夕張は財政破綻の市として知られ、市を挙げて財政再建に取り組む街としてしられている。人口もかつての十分の一程度に減少している。しかしこの街の高い知名度を利用し、観光都市として蘇らせる方策は無いものかと思う。観光地として沖縄と比較すると、北海道には沖縄のような若者を惹きつける「海」がない。その代り北海道には冬の「雪」が」ある。この辺を足がかりにもう少し近代化を図れば道は開けると思う。
今回の北海道旅行でもう一つ大きく感じたことは、北方領土問題である。根室市から目と鼻の先にある歯舞、国後、択捉、色丹の四島は元々日本の領土であるのに、ロシヤがどさくさに紛れ、不法占拠し、日本人を追い出して何処吹く風。まるで泥棒猫同然。日本人は、北朝鮮の拉致問題以上に、四島を取り戻すことに熱心であってもよいのではないか。