身辺雑記
大腸手術から退院して以来ずっと、朝六時頃起きて、雨でない限り三十分ほど家の周りを散歩することにしている。最近は、旧中島飛行機の移転跡地が桃井原っぱという広場になったので、その中を突っ切って、新しく出来た高層マンションの下を歩くことが多い。新しいマンションの下の歩道の両脇は、緑地帯になっていて、色んな樹木が植えられてをり、木の種類ごとに名前を書いた札が下がっている。そこを毎日歩いていると、自然に木の名前が覚えられる。私も、それでメタセコイヤ、月桂樹、くすのき、たぶのき、エリカ、いわなんてんなど、今まで知らなかった木の姿や名前を覚えた。
私は元々、木や草の名前を記憶するのが苦手で、山歩きのときなど、これは何の花とか教えられても中々覚えられない。でも散歩しながら毎日見ていると嫌でも覚えてしまう。ところがそれは、ただ単に木の名前と姿を覚えるだけで、それがどういう木なのか詳細は書いてないから分からない。ブログメイトに植物に詳しい人がいらっしゃるから、お尋ねすれば直ぐに懇切丁寧に教えて下さるのは分かっているが、ここはある因縁で手に入れた電子辞書「パピルス」に聞いてみることにしよう。
電子辞書は、七月の「江戸の名所を歩こう会」に参加した時、帰りの電車で偶々一緒になった荻窪住いの人から便利だからと薦められたもので、その人は俳句をやっていて、句会のときには、歳時記入りのソニーの電子辞書を必ず持ってゆくのだそうだ。 数日後、私も荻窪のLAOXへ電子辞書を買いに行ったら、生憎ソニー製品は扱っておらず、代わりにシャープのブランドが評判がいいと薦められたので買ってきてしまった。270gの装置の中に、広辞苑ほか46種類の辞書が詰込まれている。日本史、世界史、古語などが含まれているのがお気に入り。
早速「パピルス」を開けて、生物辞典をクリックし、「メタセコイヤ」と入力する。すると出た!「中国四川省に現存する化石植物の一種、スギ科。中国湖北省で日本の三木茂という博士が、1億年~1千万年前の地層から化石で発見しメタセコイヤと命名した」。その後、第二次世界戦中、中国の植物学者が、メタセコイヤと全く同じ植物が中国に現存することを発見した。このストーリィに感激!地球に人類が出現する遥かに前の白亜紀以来よくも絶滅せずに残ってきたもんだ。アメリカ人がこの種を持ち帰り、昭和25年頃から苗木が世界中に広まって、公園などに植えられるようになったそうだ。日本名は「アケボノスギ」、成長が早く、高さは三十mにも達する。葉の様に見えるのは全部小枝で、秋になると小枝ごと落葉する。写真は、原っぱに一本だけ生えているメタセコイヤでこのほかにも10本ほどある。
他の木も電子辞書で調べたが長くなるので割愛する。年を取ると、記憶力が弱くなり、ど忘れやうろ覚えになり、ブログを書くのに支障を来たす。電子辞書1台でこれが防げるのは有り難い。これを薦めてくれた人に今度逢ったらお礼を言おうと思う。