中東情勢 | 八海老人日記

中東情勢

 日本古代史にばかりかかずらっていたら、ブログ・メイトさんの、時事問題に弱いという記事が目に入った。そこで読者の一人として、私なりの理解を纏めてみたので、ご参考に供したい。


 世界の情勢は、皆夫々深い根を持っているが、特に中東情勢は複雑である。この複雑な世界の渦巻きの中心にいるのがアメリカである。そのアメリカの中でも、大きな渦巻きが幾つもあって、互いに鬩ぎ合っている。中でも、最近注目されるのがネオコンと称されるタカ派のグループで、その考え方は次のようなものである。


 《単独覇権主義》=アメリカが世界で唯一の超大国である状態が永続することが望ましく、アメリカに対抗する国や国家連合の台頭を許さない。

 《先制攻撃》=大量破壊兵器(核爆弾)を、これから持とうとする国に対しては、先制攻撃を仕掛けて、これを阻止する。


 以上のタカ派の論理は、言わば強者の論理であるが、EU(ヨーロッパ連合)やアラブ諸国との国際協調関係重視する中道派の考え方とは真っ向から対立するものである。しかし、アメリカの巨大な軍事産業の代理人であるタカ派勢力は、巨大資本と結託して次第に政治力を増して行った。


 2000年の大統領選挙で、ブッシュがタカ派の支持を得て勝利すると、ネオコン=タカ派勢力は、ブッシュ政権の中枢に入り込み、ブッシュの政治政策に大きな影響を与えるようになった。911テロ事件を機に、「単独覇権主義」や「先制攻撃」が次々と実現され、2003年のイラク侵攻もこの方針で実施された。


 アメリカの主導によるイラク侵攻は、イラクが大量破壊兵器を保有していると言うガセネタに踊らされた結果であるが、本音は、世界一の産油国で、アメリカと対立するイラクのフセイン政権を倒して、アメリカの利権を確保したいという腹積もりで先制攻撃を仕掛けたが、大量破壊兵器は出て来ず、アメリカが泥沼にはまり込む結果となった。


 イスラエル・レバノン戦争に至るまでにはまだ曲折があり、あまり長くなるので次回に譲るが、ここで忘れてならないことは、アメリカの巨大な軍事産業資本の代理人であるタカ派=ネオコンの中核をなすのがユダヤ系の人々であり、その母国がイスラエルであると言うことである。テロ組織のアルカイダから見ると、イスラエル=ユダヤ系=ネオコン=アメリカ覇権主義となるのであり、アメリカのお先棒を担ぐ国は全てテロの対象になると言う図式になる。ところが、アルカイダによるテロそのものが、戦争や利権で懐を肥やすユダヤ人の陰謀であるという説もある。ナチスに迫害されたユダヤ人の怨念。オオコワヤ!!!