韓国旅行記
5月7日~10日(日~水)、3泊4日の韓国旅行が無事に終った。私にとっては初めての韓国旅行で、単に眼、舌、耳を楽しませてくれる旅でもなく、また、さすらいの旅でもない。インドから始まったアジアの文明が極東の島国、日本にたどり着く前に通った道筋、そこに朝鮮半島があり韓国がある。その通り道を一目見てみたい、その匂いをほのかでも嗅いでみたいという願望が私を韓国の旅に駆り立てた。
勿論3泊4日などという短い期間に多くを望むのは無理であるが、それはそれなりに収穫はあったと思う。私達が選んだツアーコースが、人気の高い韓流メロドラマのロケ地巡りではなく、どちらかと言えば地味な歴史と世界遺産探訪コースで、キム(金)さんという女性のベテランガイドが付いてくれたこと、ツアーメンバーが私達6名だけだったこと、お天気もまあまあだったことなど、すべていい条件が重なり楽しい旅を味わうことが出来た。
5月7日、新宿発9:40の成田エキスプレスで10:57終点・成田空港着。4階の出発ロビーに集合。手荷物検査、出国審査を済まし、13:55発KE714便、エコノミークラスで釜山に向かう。途中機内食が出たが、握り鮨のごはんがぼろぼろで不味かった。16:00釜山空港着。朝鮮半島最南端の釜山は、人口380万、韓国第2の都市。市内には高層ビルが立ち並び、日本よりも活気が感じられる。先ず街の中心部の高台から釜山の市街が一望で見渡せる龍頭山公園を尋ねる。朝鮮を攻めた豊臣秀吉の水軍を打ち破った李舜臣の銅像が日本を向いて立っている。このあと熱気溢れるチャガルチ市場(海鮮市場)に立ち寄り、港のレストランで海鮮鍋とチジミで夕食。8時頃、ウエスチンホテルに到着。
2日目5月8日、バイキングで朝食を済ませ、9時バスで出発。1時間半で慶州着。慶州は、朝鮮半島の古代国家、新羅の首都であった所。日本の奈良に匹敵する街。世界遺産・石窟庵、天馬塚チョムソンデ古墳公園、民族工芸村(登り窯)、世界遺産・仏国寺を見学。途中のレストランで参鶏湯で昼食、宮廷料理の夕食と民族舞踊鑑賞。9時頃ヒルトンホテル着。一日歩き廻って疲れた。
3日目5月9日、朝食後9時出発。バスで約1時間で東大邱へ到着。ここから高速鉄道KTXでソウルへ。11:40ソウル到着。ソウルは人口1000万で韓国の首都。高層ビルは東京より多いくらい。郊外のレストランで石焼ビビンバで昼食の後、漢江を挟んで北朝鮮が見渡せる<統一展望台>を見に行く。ソウル市内に戻り仁寺洞(骨董品・雑貨市場)見学。夕食は骨付きカルビだったが、肉が固いのには閉口した。コンチネンタルホテルに宿泊。
4日目5月10日、このホテルの朝のバイキングの豪華なのには驚いた。宿泊客は大部分外国のビジネスマン。私達はこの日、帰国するのだが、帰国便KE705の出発18:40まで時間があるので、特別オプションでソウル市内を見物することになり、国立民族博物館と旧朝鮮王朝の宮殿・景福宮を見学することになった。国立民族博物館はごく最近出来た建物で、国宝の仏像など韓国の古代文化遺産が数多く展示されていて大変参考になった。景福宮の古い建物は、文禄・慶長の役で秀吉軍に焼かれてしまったが、その後再建され、日韓併合まで李王朝の宮殿であった。1910年の日韓併合後建物は撤去されたが、1990年以後逐次復元されている。景福宮見学をもって今回の韓国旅行のスケジュールは終わり、夕刻成田に向かってソウル空港を飛び立った。
今回の韓国旅行で受けた印象は、①都市の高層ビルや郊外の高層マンションの群れ等を見ると、韓国の経済は上昇気流にあることを感じさせる。②韓国人のマナーとして年寄には親切。③にんにく臭くなく清潔。などであるが、日本と本質的に違う点はどこかということを考えさせられた。その答になるかどうか判らないが、韓国が東洋文化の通過点であり、日本は島国で東洋文化の終着点あることによるのではないか。その結果、韓国は日本より歴史が古く、大陸的で儒教の精神が残されているが、日本は島国根性的なところがあり、どちらかと言えば独善的であると言えるのではないか。小泉首相が靖国にこだわり続け国益を損じているのもそんなところから来ているのかもしれない。