頑張れ民主党
昨日の朝、フジテレビ7時半の「報道2001」に民主党・新党首小沢一郎氏が出演しているのを見ていたら、一つだけいいことを言った。アナウンサーから、民主党新党首として、小泉首相の靖国問題についてどう思うかという質問に対して、はっきりと、あれは小泉総理が間違っていると断言したことである。理由を聞かれて、「靖国神社は、戦場で命を捧げた人を祀る神社だから、A級戦犯を合祀したのは間違いだ。だからA級戦犯の霊を他所に遷し本来の靖国神社に戻したら堂々とお参りに行けばいい」と答えた。
私は、小沢一郎と言う人物は、余り好きではないが、民主党新党首として、党を再生することは勿論、自民党を向こうに回しての二大政党制実現への意気込みは、大いに評価したい。新しい民主党は、これまでの民主党のように小手先の議論をこね回すのではなく、またメール事件みたいにスキャンダルを突くような卑怯な攻撃ではなく、明確な歴史観、世界観に立って、日本人ばかりでなく、世界の人々が納得するような議論を正々堂々と展開して欲しい。
靖国問題も、現在、日本の外交上の大きな問題の一つとなっている。先日の予算国会での民主党の代表質問に対する小泉首相の答弁及びその後の記者会見でも同様、小泉首相の「靖国神社に参拝して何が悪い」という開き直った考えに対し、民主党新党首に期待したいのは、民間のテレビだけでなく、国会の場で、再生民主党の命運をかけて、はっきりと「小泉首相は間違っている」と発言して欲しいのである。
ただ、私に言わせると、「報道2001」における小沢氏の発言についても、一つ指摘したいのは、「靖国神社は戦場で命を捧げた人を祀る神社だから」と言うのは正しくないということである。正しくは、「戦場で《天皇のため》命を捧げた人を祀る神社だから」である。だから、幕末の戊辰戦争や明治10年の西南戦争で賊軍の汚名を着せられた戦死者は合祀されていない。これらの戦死者は、立場が違うだけで同じ日本人であることに変わりはない。今の天皇は平和的象徴天皇であるが、敗戦前は、軍閥に利用されたとはいえ、自ら神であり、中国から見れば侵略軍の統帥であり、軍国主義ナショナリズムのシンボルであった。
小泉首相が、自らの歴史認識の誤りを認め、靖国参拝を止めれば、日中国交は正常化するかもしれない。それも日本にとって大切なことであるが、それよりも、小沢新民主党々主が国会で堂々と小泉首相の歴史認識の誤りを正すことに成功すれば、民主党の存在感をアピールし、支持率が急上昇すること請け合いである。