古陶磁鑑定美術館では、古備前焼や日本の古陶磁器にまつわる「謎」や「未解決問題」の解明に向けて、日々調査研究を続けています。
今回は、最新の研究で明らかになった、「桃山茶陶(桃山時代の茶道具)」に関する衝撃のニュースをお知らせします。
それはなんと、『桃山茶陶と呼ばれているほとんどが江戸時代の作品で、本物の桃山茶陶はほとんど存在しない』ということです。
何とも信じられないような話ですが、実はこれが真実なのです。
桃山時代と言えば、織田信長や豊臣秀吉や千利休が活躍した天正年間(1573-1592年)がその中心です。桃山時代の終わりは、諸説ありますが、1600年の関ヶ原合戦か、1603年の江戸幕府の成立のどちらかでしょう。
しかし、現在の美術史上の「桃山茶陶」は、そのほとんどが慶長年間(1596-1615年)に作られた作品なのです。それも、1600年以降の作品がほとんどでしょう。
それを「桃山時代の桃山茶陶」と言うには、正直少し苦しいですね。どう見ても、江戸時代の作品でしょう。
このような誤った見解は、近年修正される潮流となってきましたが、それでもまだまだ誤りがあります。
古陶磁鑑定美術館では、本当にただしい歴史の真実を明らかにするために、当時の一時記録と伝来品を入念に調査し、正確な焼き物の年代鑑定を行っています。
ホームページにて、本物の桃山茶陶の備前焼、「古備前建水」や「古備前水指」を公開中です。ぜひ貴重な名品をご覧ください。