その方はバンタム100を使っていて、キャストはめちゃくちゃ上手で僕のバンタム100EXをはるかに超える飛距離の対岸へキャストしていました。
気になって見ていると、何やらプラグではなく細長いものが付いていて、どうしても何か知りたい僕はその人に近づき勇気をだして聞いてみた。
そして聞き出したルアーはスライダーワームだった。
まだ、国内ではそれほど売られてなかったと思う。
話は盛り上がり、流れでその方と喫茶店で一緒に昼食を取ることになった(笑)
この時、僕は確か中学1年生だったと思う。
バスフィッシングに関する知識はすごく豊富な方で僕はいつの間にか夢中で話を聞いていた。
そんな充実した時間はあっという間に過ぎ、おじさんは食事代を払ってくれて、帰り際にテキサスリグ数セットとスライダワーム数本と名刺までいただいた。
興味のない名刺はすぐにポケットに入れ、スライダーワームをリグってバックウォーターへ向かった。
この頃はプラグ主体のバスフィッシングだったので、スライダーワームは爆発的に釣れた。
夢のような一日を終え家に帰った僕はポケットに入っていた名刺に気付いた。
そこには(株)シマノと印刷されていた。
僕は親が病気と偽り、小学生の時に新聞配達をして手に入れたバンタム100EXの自慢話を目を細めながら、嬉しそうに聞いてくれてたことを思い出した。
残念ながら、その時の名刺はいつの間にか無くしてしまったんだけど、今頃、あのおじさんは何してるのかな?と、ふと考える時があります。