その時、私の背後はやはり霧に覆われていましたが
数メートル後ろの霧のとぎれかけた地面に砂を掴む
足が見えました・・・
・・・裸足の足・・・と言うよりは
手それを見た瞬間・・・体中の血が泡立つように感じ
足がもつれそうになりながらも
転ばずにどうにか体制を立て直しました。
「いやだ」 「いやだ」 「いやだ!」
あんなのに捕まりたくない!!
必死に走りますが、慌てれば慌てるほど
足が砂の中で空回りでもしているようで
思うように走れません。
いつの間にか涙が溢れ泣きながら走っていました
どのくらい走ったのか・・・
ひどく長い時間に思えましたが・・・
足が偶然硬い地面をふみました。
そう、砂が硬くなって少し走りやすい所です。
友人と走っているときに見つけて走っていた
あの、所々にある走りやすい所です。
泣きながらも
記憶を頼りに走りやすい所を選んで
走り始めると、少しずつ背後の足音を引き離す事が
出来始めました・・・
引き離され始めたのに気づいたのか
遠ざかりながら、さっきまでのソレのつぶやきは
呼びかけに変わりました。
「か・・・くれ」
「・・わ・・れ」
それは耳障りでざらざらとした声でたしかに
「かわってくれ~」
そう言っていた様に思います。
そのとき競馬場のトラックの出口が不意に
右3m前くらいにみつけ、扉一枚程度のその出口に
肩をぶつけるようにして飛び込みました。
競馬場を出ると、急に霧は薄くなっていてまるで
急に夢から覚めた様で恐怖感もいきなり軽くなりました。
恐怖感は去り気分は軽くなっていたものの
後ろを振り向くとそこに・・・ヤツがいるような気がして
とても振り返ることは出来ませんでした。
荒い呼吸をして体中に汗をかいているにもかかわらず
身体が冷たく・・・まるで全身の汗が全て冷や汗だったかのようでした。
そのとき、自分が背にしている
競馬場の出口が不意に頭の中に
鮮明に映りました・・・
そこには入り口の向こうに立っている
ねずみの顔をした男・・・何故かその顔の印象は
残っているもののあまり強烈で怖い印象ではなく
どういう訳か、その男の着ていた黒に近いグレーのパーカーと
パーカーの前からのぞく白いシャツが強烈に残っています。
しかし、そのときの私にとっては
あまりにも異常で異質なもので・・・
「ひゅ!!」っと息を吸い込み言葉を発することも出来ずに逃げ去りました。
そのことは、結局その日来なかった近所の
友達にだけ話しましたが・・・自分が来なかったことを
暗に責める為の話としか受け取られなかったらしく
以降誰にも話すことはありませんでした。
そして噂は、しばらく続いたものの
いつの間にか消え去りました。
その噂が消え去ったころには
なぜか私がその場所を避ける事もなくなり・・・
私の中で競馬場は、いつもの遊び場へと戻っていたのでした。
数メートル後ろの霧のとぎれかけた地面に砂を掴む
足が見えました・・・
・・・裸足の足・・・と言うよりは
手それを見た瞬間・・・体中の血が泡立つように感じ
足がもつれそうになりながらも
転ばずにどうにか体制を立て直しました。
「いやだ」 「いやだ」 「いやだ!」
あんなのに捕まりたくない!!
必死に走りますが、慌てれば慌てるほど
足が砂の中で空回りでもしているようで
思うように走れません。
いつの間にか涙が溢れ泣きながら走っていました
どのくらい走ったのか・・・
ひどく長い時間に思えましたが・・・
足が偶然硬い地面をふみました。
そう、砂が硬くなって少し走りやすい所です。
友人と走っているときに見つけて走っていた
あの、所々にある走りやすい所です。
泣きながらも
記憶を頼りに走りやすい所を選んで
走り始めると、少しずつ背後の足音を引き離す事が
出来始めました・・・
引き離され始めたのに気づいたのか
遠ざかりながら、さっきまでのソレのつぶやきは
呼びかけに変わりました。
「か・・・くれ」
「・・わ・・れ」
それは耳障りでざらざらとした声でたしかに
「かわってくれ~」
そう言っていた様に思います。
そのとき競馬場のトラックの出口が不意に
右3m前くらいにみつけ、扉一枚程度のその出口に
肩をぶつけるようにして飛び込みました。
競馬場を出ると、急に霧は薄くなっていてまるで
急に夢から覚めた様で恐怖感もいきなり軽くなりました。
恐怖感は去り気分は軽くなっていたものの
後ろを振り向くとそこに・・・ヤツがいるような気がして
とても振り返ることは出来ませんでした。
荒い呼吸をして体中に汗をかいているにもかかわらず
身体が冷たく・・・まるで全身の汗が全て冷や汗だったかのようでした。
そのとき、自分が背にしている
競馬場の出口が不意に頭の中に
鮮明に映りました・・・
そこには入り口の向こうに立っている
ねずみの顔をした男・・・何故かその顔の印象は
残っているもののあまり強烈で怖い印象ではなく
どういう訳か、その男の着ていた黒に近いグレーのパーカーと
パーカーの前からのぞく白いシャツが強烈に残っています。
しかし、そのときの私にとっては
あまりにも異常で異質なもので・・・
「ひゅ!!」っと息を吸い込み言葉を発することも出来ずに逃げ去りました。
そのことは、結局その日来なかった近所の
友達にだけ話しましたが・・・自分が来なかったことを
暗に責める為の話としか受け取られなかったらしく
以降誰にも話すことはありませんでした。
そして噂は、しばらく続いたものの
いつの間にか消え去りました。
その噂が消え去ったころには
なぜか私がその場所を避ける事もなくなり・・・
私の中で競馬場は、いつもの遊び場へと戻っていたのでした。