僕には「こだわり」があまりない。


唯一あると言えば、りんごは「富士」、歯磨き粉は「コルゲート」、クルマは「トヨタ」、パンは「粒あんパン」、風呂上がりは「コーヒー牛乳」ぐらいだろうか。


これらは一見バラバラだが、自分の中では一つの基準で選ばれている。


それは「何を選ぶか」よりも、「どう感じるか」を優先する姿勢だ。


知名度よりも心地よさ

知名度が不要というわけではない。


ただ、それが自分の感覚とずれていたら、長くは続かない。コーヒーにはミルク、ドーナツはバターミルクバー (写真) かメープルバーだ。


何かをする時に、「有名か」よりも、「しっくりくる」という感覚のほうが大事だ。


完成よりも、未完成

完成されたものより、未完成の状態に惹かれることが多い。


途中には余白があり、変化があり、まだ別のものになる可能性がある。


現在の仕事であるノータリー(公証人)、コンサル、日本酒輸入、どれも自分(たち)で立ち上げ、今も発展途上だ。


完成すると、その余白が閉じてしまう。


安定よりも未知

安定は安心を与えるが、思考の動きを止めることがある。


未知の中にいるときは、落ち着かない代わりに、感覚が鋭くなる。


昨年はグアテマラで3週間のスペイン語研修に参加した。近い将来メキシコへのビジネス進出を考えている。


その揺れの中でしか見えないものがあると思う。


中心よりも外側

中心にいるよりも、少し外側にいるほうが見えるものが多い。


輪の中心ではなく、少し離れた位置から全体を見る感じに近い。


日本酒をアメリカで売る。メキシコ市場向けにオチャータ酒の開発をしている。カリフォルニアワインを日本に紹介している。


2つの世界の境界では、関係や流れの方向がはっきり見える。


こだわりの正体

こうして並べてみると、これらはバラバラの好みではなく、ひとつの傾向に見える。


それは、「固定されたもの」より「動いているもの」に対する信頼だ。


結果よりも、変化の途中にある感覚。


安定した答えよりも、揺れながら更新される理解。


おわりに

僕のこだわりとは「選択のルール」ではなく、あんぱんやコーヒー牛乳を含め、「世界の見え方」そのものなのかもしれない。


Photo courtesy of Norine’s Nest