(再録・2022.3.19既出)
午後から、いつものようにウォーキングに出かけるつもりが体に疲れが溜まっていて、書斎のリクライニング・シートで1時間ほど昼寝をする。と言うのも、先日来ネットが不調でそれが突然遮断しプロバイダーに確認すると、壁に付設の専用パネル「ナショナルまとめてネット」(設置当時の14年前はパナソニックではなく)に問題が起きている可能性があり、電器屋に見て貰う必要が生じた。パネルは書斎の作り付け棚の最上部の天井付近の壁に設置されているが、その手前に大きな本箱があり1メートルほど移動させないといけない。そのために、本箱に収納の500冊ほどの本を出しては書斎の床に並べたりの動作で半日ほど掛かった。電器屋さんに修理して貰ってから、もう一度同じような作業(本箱に収納する)をしたことで体の各所に筋肉痛が生まれ、その名残の疲れのせいである。お陰で久し振りに日の目を見るものもあって、今日紹介する全7巻からなる「犬養道子自選集」中の、キリスト教に関する「犬養道子自選集 6 生ける石・信徒神学」(岩波書店・2900円+税)などもその1冊である。同時に、彼女のデビュー作である『お嬢さん放浪記』や『私のアメリカ』を収録の、「犬養道子自選集 1」(岩波書店・2900円+税)も取り上げてみた。
「犬養道子自選集 6 生ける石・信徒神学」 受洗後四十年を生きて来た著者が、五年の歳月をかけて、いまの日本人の言語にまとめ直した「信徒神学入門」のこころみ。
十九世紀末に、信徒が教会をつくる、教会とは信徒である、と断言した英国の、枢機卿ヘンリイ・ニューマンのことばは、1944年12月アメリカ軍の東京空襲の焼夷弾を危うく身に受けながら受洗した筆者の心に灼きついて、いっとき教会を離れた暗い日々にすらも、ついぞ消え失せることはなかったのである。(「解説」より)
「犬養道子自選集 1 お嬢さん放浪記」 アメリカなんて、海をはさんだとなりだもの デビュー作『お嬢さん放浪記』を完全収録 あわせて『私のアメリカ』『アメリカン・アメリカ』より抜粋
「昭和二十三年の秋、私は一留学生として米国に向けて出発した」「ほんとうの目的地はヨーロッパだった」が、「当時アメリカから試験なしのプライベートのスカラシップは相当出ていたから、まずそれを受けて、アメリカ経由でヨーロッパへ」と、デビュー作『お嬢さん放浪記』第一章のはじめは簡単に記しているが、経由地アメリカ留学にも、実は気恥かしくて文字にも口にもとうていあらわせないひとつの気負いが裏打ちされていたのであった。(「解説」より)
写真は、東山丘陵運動公園の遊歩道で撮影する。