パトリック・J・デニーン「リベラリズムはなぜ失敗したのか」(原書房・2400円+税) | 野球少年のひとりごと

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午前中、女房は娘の運転する車で孫娘たち(中1になる双子の)も一緒に、東岸和田にある皮膚科まで出かける。女房は毎夏に発症する湿疹の、孫娘たちはニキビの治療での受診。3時間ほど掛り(車での往復で30分ほど)午後2時過ぎに帰宅する。昼食は、ヴィ・ド・フランスで買ってきた食彩パンの類いで済ます。その頃に、隣に住む次男が本を返しがてらやって来て、女房をまじえ1時間ほど話す。

 

本の話である。今日アマゾンから届いたのは、パトリック・J・デニーン「リベラリズムはなぜ失敗したのか」(原書房・2400円+税)である。版元の原書房には少なからず思い出がある。大阪の出版社に勤務(30歳前後の2年間)の頃に、はじめて訪れた原書房で面談してくれた常務(おそらく50代後半の)がなぜか気に入ってくれて、「今後は事前のアポも必要がないので上京のときはいつでも遊びに来なさい」と仰っていただく。そういう特別の思い出がある出版社である。当時は、文藝春秋社、角川書店、筑摩書房、学研、小学館など様々な出版社と一緒に仕事をする機会(出版企画や販売企画で)があって、毎週のように上京していた。30歳になるとすぐに課長になり(社でいちばん若い)12人の部下(京大や早稲田などの錚々たる大学を出た)を得て、毎日遅くまで(帰宅するのは11時過ぎ)仕事をし、自分でも一皮むけたと思えるほど収穫のあった時期であった。本書に戻ると、そういう浅からぬ縁のあった原書房からの出版であるが、読む気になったのは読了の、中野剛志 他「新自由主義と脱成長をもうやめる」(東洋経済新報社・2000円+税)に紹介されていたことによる。

 

「リベラリズムはなぜ失敗したのか」 オバマ元米国大統領がフェイスブックで称賛 全米注目の書

 朝日新聞で著者インタビュー(2019年9月19日朝刊)

 多くの民主主義国家で不平等が拡大し、強権政治が台頭し、リベラリズムが機能不全となっている。注目の政治学者が政治、経済、テクノロジーといった様々な分野で見られる問題を検証し、失敗の原因と是正をさぐる。 

 リベラリズムは失敗した。リベラリズムを実現できなかったからではなく、リベラリズムに忠実だったからである。成功したために失敗した。リベラリズムが「完成形に近づき」、秘められていた論理が明らかになり自己矛盾が目に見えてくると、リベラリズムのイデオロギーは実現されているが、その主張通りにならないという病弊が生じた。(序文より)

 

   

 

フランスで描いた水彩によるスケッチから

 

「洋画家 仲村一男」のホームページ

  http://www.nakamura-kazuo.jp/