景山民夫「転がる石のように」(講談社・1200円) | 野球少年のひとりごと

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午前9時で30度、午後3時のいまは32度。玄関の郵便受けまで出ただけでも、嫌になるような暑さ。コロナ禍までは夏の間も、夕方近くではあるが1時間ほどのウォーキングをしていたのが夢のよう。高校野球大阪大会の日程も発表されたが、とても電車に乗ってまで出かける気はしないのと、観戦中に熱中症に罹りまわりに迷惑をかけることを怖れる。世話になった方や友人知人で亡くなる人(つい最近も、旧居時代の町会役員仲間が亡くなった)が出始めているが、通夜葬儀は親戚の類いもふくめてすべて不義理している。自身の現在の体力、体調を考えたら仕方がないことと考えている。これは女房も一緒で、ふたりして不義理を重ねている。それと、コロナ禍から葬儀が一気に家族葬にかわってきて(旧居のあった古い町においても)、知らせも事後であることが増えているがとてもいいことだと思う。秋に78歳になるが、自分のためにも、無理をしない年相応の振る舞いに徹しようと考えている。

 

本の話である。アメリカにかかわるもので、景山民夫「転がる石のように」(講談社・1200円)と亀井俊介「カバンひとつでアメリカン」(冬樹社・1300円)の2冊のことを。刊行年は、1987年と1982年(従って、どちらも消費税のなかった時代)

 

景山民夫「転がる石のように」 清新な長篇小説 アメリカ遍歴! 愛を求める魂の遍歴! 青春の時間は自分の手で回そうと決意し、アメリカへ渡ったひとりの青年。60年代最後の年、光り輝く国との対決を鋭い感性と甘やかな情感を湛えて描く名篇!
 タクシーは渋滞しているブロードウェイを避け、東側から廻り込むようにしてワシントン・スクエアに向かった。その辺りで少しばかり胸が苦しくなってきた。行かない方が良いのではないか、という弱気な考えが頭の中を駆け巡りはじめていた。/しかし、タクシーは僕の心理状態に関係なく走りつづけ、ブリーカーストリートで止まった。そして、グリニッジ・ビレッジは、ほぼ昔のままのたたずまいを見せて、そこに存在していた。(「あとがき」より)

 

   

 

亀井俊介「カバンひとつでアメリカン」 カーペットバーガーは、ひたすら気楽に、気取らずに。わが心のアメリカを求めて、広大な大陸の息吹にふれるアメリカ大衆文化の旅!

 

フランスで描いた水彩によるスケッチから

「洋画家 仲村一男」のホームページ

 http://www.nakamura-kazuo.jp/