今日は、孫娘たち(中学1年の双子)の学校の授業参観とクラブ見学で、同居する娘は午後から出かけている。ちょうど帰宅する頃に女房と門前に出ていて、50㍍くらい先から3人が歩いてくるのを見つける。中学の制服を着て、母親と並んで帰ってくる姿は可愛いものだ。双子で小さく産まれてきたものだから現在もクラスの中でも小柄な方で、今日など漫画の「ちびまる子ちゃん」のようである。前後して、隣に住む次男が雑誌類を返しがてらやって来て、女房をまじえ珈琲を飲みながら1時間ほど話してゆく。先日、神戸県立美術館で開催の「キース・ヘリング展」を観に行った話を聞かせてくれる。最近でも、「横尾忠則美術館」や京都で開催の「村上隆展」など観に行っていて、少しくらいは私の父の影響があるのかしらと思う。
本の話である。岸本佐知子のエッセイ集から、「ねにもつタイプ」(ちくま文庫・660円)、「なんらかの事情」(ちくま文庫・660円)の2冊のことを。
「ねにもつタイプ」 笑いがこみあげる奇妙な世界 微妙に増量して文庫化 「講談社エッセイ賞」受賞!!
コアラの鼻の材質。郵便局での決闘。ちょんまげの起源。新たなるオリンピック競技の提案。「ホッホグルグル」の謎。パン屋さんとの文通。矢吹ジョーの口から出るものの正体。「猫のマッサージ屋」開業の野望。バンドエイドとの正しい闘い方ー。奇想、妄想たくましく、リズミカルな名文で綴るエッセイ集。読んでも1ミクロンの役にも立たず、教養もいっさい増えないこと請け合いです。
私はいま、目の前にあるこの英語の文章の意味について、一心に考えなければならない。だがそう思うそばから、ついついコアラの鼻について考えてしまうのである。あの鼻。材質は何でできているのだろう。何となく、昔の椅子の脚の先にかぶせてあった黒いゴムのカバーに似ている気がする。触ったらどんな感じだろう。カサカサしてほんのり温かいのだろうか。それとも案外ひんやり湿っているのだろうか。(「Don't Dream」より)
中野 翠「本日、東京ロマンチカ」に本書が紹介されていて「奇想で名文。ホレボレする程、文章が愉しく、うまい。」と激賞している。
「なんらかの事情」 妄想?短篇小説?エッセイ?モヤッとするのに心地よい 違和感の世界へようこそ 今回も微妙に増量して文庫になりました
これはエッセイ?ショート・ショート?それとも妄想という名の暴走?翻訳家岸本佐知子の頭の中を覗いているかのような「エッセイ」と呼ぶにはあまりに奇妙で可笑しな物語たちは、毎日の変わらない日常を一瞬で、見たことのない不思議な場所に変えてしまいます。人気連載、待望の文庫化第二弾。今回も単行本未収録回を微妙に増量しました。イラストはクラフト・エヴィング商會。
私はいろんなものの運がない。たとえばスプレー運がない。ガラスクリーナーであれ香水であれ靴の防水スプレーであれ、何かしら故障が起こるか管が詰まるかして、中身は相当量入っているのに捨てるはめになることがしょっちゅうだ。―「運」より
もしもこの世にレジで一番遅い列に並んだ人が優勝する競技があったら、私は確実に国体レベルで優勝する自信がある。ひょっとしたらオリンピックでもメダルを狙えるくらいの才能ではないかと思う。―「才能」より
ポルトガル、フランスで描いた水彩によるスケッチから
「洋画家 仲村一男」のホームページ
http://www.nakamura-kazuo.jp/