(再録)関岡英之「大川周明の大アジア主義」(講談社・1700円+税) | 野球少年のひとりごと

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(再録・2022.1.3既出)

午後から、堺に住む長男夫婦一家が年始でやって来る。長男のところの男の子(一人っ子)も、春で小学1年生になる。彼は到着するなり、従姉妹たち(小学4年生のふたごの)と持参の双六で遊ぶべく、彼女らの待つ部屋に行く。帰るまでの2時間半ばかり(途中で皆でケーキを食べたが)部屋に入り浸りである。長男夫婦たちと、隣に住む次男のところの長男の高校受験の話などで盛り上がる。長男の中学時代の成績が音楽と技術が8(10段階で)で後はすべて10であったと言うから驚きである。勉強が出来たとは思っていたがそこまでとは予想外であった。連れ合いも近隣ではいちばんの進学校である府立三国ヶ丘高校を出ているので、特別自慢をしないがそれ以上の可能性がある。中高を通じて、女房もほぼそれに近い成績であったようなので、子供たちの学校での成績はすべて女房に拠ると思う。わたしはと言うと、小中を通じて5(5段階評価で)はせいぜい3個どまりで、高校(一応地域では二番目の進学校)でも国語と社会が5か4(ときどき英語も)の他は、ほとんどが3で美術と音楽が2であった。ただ、普段まったく勉強しなくてもなぜか実力テストの成績がよくて、それは受験勉強にも言えて(受験勉強らしきものをほとんどしていない)志望校には落ちたものの関大だけは、文学部と経済学部の二つの学部に通ることが出来た。いま夫婦で会話していて、とても基本的なことをわたしが知らず、女房などにとって理解が困難なことをわたしが知っているような、そういう意味で変な夫婦である。ただ、わたしが「国語」と「社会」をずっと得意としてきたことが、これは社会に出てからも得しているように思う。

 

本の話である。年末に書斎の整理をしていて出てきた、戦前の右翼関連のもの(一頃、その周辺に大変興味を持っていた時代がある)から、独特の思想家である大川周明を論じた、関岡英之「大川周明の大アジア主義」(講談社・1700円+税)と佐藤 優「日米開戦の真実(大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く)」(小学館・1600円+税)の2冊のことを。関岡英之「大川周明の大アジア主義」は、帯に「米国・欧州列強が最もおそれた「知の巨人」 アジア解放の思想の核心!!」とある。東京裁判(大東亜戦争後の極東国際裁判)で東条英機(戦時中に首相などを務めた)の後から頭を叩いている映像でのみ知られることの多い、大川周明の五十周忌特別企画として刊行(2007年)された本書、いまの時代にこそ読まれる類いのものであると考える。もう1冊の、佐藤 優「日米開戦の真実(大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く)」も、同様に帯によると「なぜ日本は対米戦争に踏み切ったのか」「真珠湾攻撃直後、NHKラジオで放送され、ベストセラー書にもなった“開戦理由”を全文掲載!『国家の罠』著者・佐藤 優が、戦時政府を代弁した「当時最高水準の知性」に挑む。」とある。佐藤 優の著作で先ず面白くないものはないが、本書もわたしなど想像もつかない知的刺激に満ちていると思う。今年どこかでこの辺の著作(戦前の右翼関連)も集中的に掛ろうと考えている。しばらく関連の書籍の紹介をするつもりです。

 

関岡英之「大川周明の大アジア主義」 『拒否できない日本』から3年、待望の書き下ろし!!

 私がアメリカの理不尽な日本改造を拒否すべきではないかと問題提起しているのも、「真実なる日米親善」を望んでいるからこそである。/不毛な反米感情や、事実に基づかない陰謀説で「独善排外の日本主義」の陥穽に陥らないよう、常に自らを戒めているつもりである。/それにしても、学べば学ぶほど、心の奥底から畏敬の念が沸いてくる。私にとって、大川周明はそういう人だ。(本文より)

 (目次)  第一章 覚醒

       第二章 沈思

       第三章 血気

       第四章 円熟

       第五章 遠謀

       第六章 遺産

       終 章  余韻

 

   

 

佐藤 優「日米開戦の真実(大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く)」 ペリー来航以降、アメリカで継承された「太平洋制覇」戦略、モンロー主義の矛盾、執拗な満蒙への介入、在米邦人の排斥、そしてイギリス植民地政策の実態―緻密にして冷静な分析から導き出された「戦わねばならぬ理由」がそこにはあった。 東京裁判開廷60周年企画(2006年刊行)

 「A級戦犯容疑者・大川周明に法廷での証言が許されていたら歴史は大きく変わっていただろう」(佐藤 優)

 

   

 

 

写真は、東山丘陵(梅畑)で撮影する。