恩田 陸「スプリング」(筑摩書房・1800円+税) | 野球少年のひとりごと

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また、父・洋画家「仲村一男」の作品を毎日紹介しています。

朝から、隣に住む次男の運転する車で女房も一緒に、寝屋川にある女房の両親の墓参りに出かける。コロナ禍があったにしろ7年ぶりのことで、その間にあった父親の25回忌と母親の7回忌の塔婆を持参する。墓地の周囲を綺麗に掃除しお参りを終えるとちょうど昼頃で、3人で帰路にあるファーストフード店「ガスト」で食事をする。3人ともステーキハンバーグを注文する。わりと美味しかったように思う。それにしろ、ファーストフード店で食事をするのも何年ぶりかのことである。コロナ禍以前の2018年までは、近所のレストランで私たち夫婦と友人夫婦とで年に何回か食事をしていたが、友人が亡くなってそれも途絶えてしまった。これを機に、ファーストフード店といわずもう少しましなところで、夫婦して食事をしてもと考えている。久し振りに外出し、陽光のもとで1時間ほど過したことはたいへん気持ちのいいことであった。ベースボール・キャップを被っていたが少しだけ日焼けをしたようだ。

 

本の話である。今日もアマゾンから荷物が届き開封すると、恩田 陸「スプリング」(筑摩書房・1800円+税)が現われる。恩田 陸は女房の好きな作家のひとりでこれまでも何冊か注文して来たが、彼女の代表作ともいえる「蜜蜂と遠雷」(幻冬舎・1800円+税)とともに紹介する。

 

「スプリング」 「俺は世界を戦慄せしめているか?」彼は求める。舞台の神を。憎しみと錯覚するほどに。 構想・執筆10年、待望のバレエ小説

 「彼は美しい子供だった」「ねえ、君、どこのバレエ教室で習ってるの?」「でも、萬君だけなんです-花の香りがしたのは」「あんた、プロになるんでしょう?」「今日も一日、踊り切れますように」「だけど、あれじゃないんだ」「巡り合わせ?運命?言葉はなんでもいい」「春ちゃん、置いていかないで」「今でも思い出す夜がある」「オマエさん、いつも何見てんの?」

 少年は八歳でバレエに出会い、十五歳で海を渡った。一人の天才をめぐる四つの「spring」

 

   

 

「蜜蜂と遠雷」 第156回直木賞受賞作(2017本屋大賞) 著者渾身、文句なしの最高傑作! ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、そして音楽を描き切った青春群像小説。
 3年毎に開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」というジンクスがあり近年、覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた。養蜂家の父とともに各地を転々とし自宅にピアノを持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇しCDデビューもしながら13歳のときの母の突然の死去以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマンで妻子もおりコンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院のマサル・C・レヴィ・アナトール19歳。彼らをはじめとした数多の天才たちが繰り広げる競争(コンペテイション)という名の自らとの闘い。第1次から3次予選そして本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか?

 

   

 

フランスで描いた水彩によるスケッチから

「洋画家 仲村一男」のホームページ

 http://www.nakamura-kazuo.jp/