(再録)若松英輔「霧の彼方 須賀敦子」(集英社・2700円+税) | 野球少年のひとりごと

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(再録・2021.12.19既出)

午後から、泉南市に住む弟がやって来る。2時間ほど話して帰る。今年いちばんの寒さ(正午で8度)で書斎に暖房を入れ、デスクの傍に遠赤外線カーボンヒーターを置いている。現役の頃は夏と冬が大好き(コートが着ることのできる)だったものが、夏はそうでもないが冬の寒いのは苦手となりつつある。ウォーキングをするにも寒い日(特に曇天下の)は外出することそのものが嫌になり、冬の間は「冬眠」に近い生活ぶりである。従って、身体を使うのもバーベルを使ってのウェイトトレーニングと、書斎が2階にあるので階下にあるリビングとの往復に階段を上り下りすることくらいになる。庭に出ることも少なくなってきて、玄関の郵便受けを確かめることくらいに限定される。まあ、昨年末から今年の春に消化器系統ではあるが様々な検査を受け、そのすべての結果がよくて安心しきっているところはあるが。それにしろ、冬の間は書斎での読書に専念しょうと考えている。

 

本の話である。本箱から「評伝もの」を選び出し机上近くに持って来ている。今日紹介するのはいずれも若松英輔のもので、「霧の彼方 須賀敦子」(集英社・2700円+税)と「小林秀雄 美しい花」(文春文庫・1150円+税)の2冊である。須賀敦子も小林秀雄も全集を保有している。「須賀敦子全集」全8巻(河出書房新社)はすべて読了(単行本新刊時と合わせると再読したものも多い)しているが、「小林秀雄全作品」全28冊、別巻4冊(新潮社)はほとんど未着手の状態である。小林秀雄はどこかで集中的に読もうと考えているのと、敬愛する須賀敦子ももう一度(ものによれば三読目になるが)読もうかなと考えていて、そういう意味でも若松英輔の評伝はその前に読んでおこうと考えている。

 

「霧の彼方 須賀敦子」 稀代の作家の「霊性」に迫る本格評伝 没後二十二年たっても読者を惹きつけてやまない作家、須賀敦子。その「霊性」に、同じ情熱をもって迫る本格評伝。

 信仰と書物。それらの「コトバ」に彼女の「たましい」は燃え上がり、書くこと、生きること、祈ることはひとつになった。宮沢賢治、川端康成、ウンベルト・サバ、ナタリア・ギンズブルグ、マルグリット・ユルスナール、シャルル・ペギー、ダヴィデ・マリア・トゥロルド、聖カタリナ、聖フランチェスコ、友人マリア・ボットーニ、親友しげちゃん、父、そして夫ペッピーノ―。

 詩人、小説家、カトリック左派の実践的思想家、中世の聖人、愛する人たち。さまざまな本、人、思想との出会いに導かれた「たましい」の旅を描く。

 

   

 

「小林秀雄 美しい花」 角川財団学芸賞・蓮如賞 ダブル受賞! 文学者の役割とはなにか 現代に問いかける渾身の評伝

 今なお読み継がれる希代の批評家・小林秀雄。ランボーやヴァレリーの翻訳、川端康成ら同時代作家との深い交流の中で、ついに己のスタイル=詩法を確立していく様を描き出す、真摯な文学者の精神的評伝。また彼の批評活動の背後に「信仰」ともいうべき熾烈なものがあることを明らかにした画期的労作である。

 『ランボオ』『Xへの手紙』『ドストエフスキイの生活』『無常という事』『本居宣長』。死者と対話を重ね、同時代人と深く交流しながら語り、書きつづけた小林秀雄の魂を浮かび上がらせる名著。

 

   

 

写真は、東山丘陵内の運動公園で撮影する。