(再録)扇田昭彦「現代演劇の航海」(リブロポート・3500円) | 野球少年のひとりごと

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(再録・2021.12.13既出)

そろそろ年賀状に掛らないといけないのだがどうもその気にならない。いま読んでいる、宮田毬栄「忘れられた詩人の伝記(父・大木惇夫の軌跡)」(中央公論新社・4600円+税)が大変に面白いことによる。朝から70頁ほど読んだが、そこに登場の海老坂 武の本が気になって本箱を探すと、目当てのものではなくて「祖国より一人の友を」(岩波書店・3000円+税)が現れる。2007年に刊行の本書も未読であるが、とりあえず紹介されている、海老坂 武「戦後が若かった頃」(岩波書店・3800円+税)と宮田毬栄「追憶の作家たち」(文春新書)の2冊をアマゾンで注文する。このようにしてまた本が増える。

 

昨日に続き、演劇関係のものから、扇田昭彦「現代演劇の航海」(リブロポート・3500円)を取り上げる。現代演劇の評論家としたらおそらく筆頭といってよい扇田昭彦の劇評集である本書、いまに至るも(1988年刊行以来)わが国の現代演劇の評論では屈指のものであると思う。また、本書で論じている1971年~1987年は、前衛も含む現代演劇の黄金期であったと考える。数多くの舞台写真とともに、とても刺激的な一本である。

 

扇田昭彦「現代演劇の航海」 1971年から1987年まで、17年間にわたる代表的舞台の劇評と数多くの舞台写真を通してたどる現代演劇のパノラマ。これはいつまでも新しい記憶の劇場だ。書き下ろし論考「<新世界>のありか」を収録。

 劇的「新世界」を求めて、演劇の航海者たちははるかな旅をつづけた。彼らはどのような軌跡をたどり、なにを発見したのか。「かなた」をめざす旅の遠近法はどう変化したか。

本書に登場する、主な劇作家・俳優 ●別役 実 ●鈴木忠志 ●白石加代子 ●唐 十郎 ●李 麗仙 ●寺山修司 ●井上ひさし ●清水邦夫 ●蜷川幸雄 ●緑 魔子 ●佐藤 信 ●太田省吾 ●土方 巽 ●つかこうへい ●山崎 哲 ●岡部耕太 ●竹内銃一郎 ●野田秀樹 ●渡辺えり子 ●如月小春 

●生田 萬 ●北村 想 ●鴻上尚史 ●川村 毅 ●市堂 令 ●タデウシュ・カントール ●坂東玉三郎 ●ピーター・ブルック