山田風太郎「半身棺桶」(ちくま文庫・1000円+税)、「死言状」(ちくま文庫・950円+税) | 野球少年のひとりごと

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また、父・洋画家「仲村一男」の作品を毎日紹介しています。

今日は51回目の結婚記念日である。昨年に3人の子供たちから貰った「金婚式祝い」はまだ遣っていない。旅行をすれば別だが、大阪や神戸あたりまで出かけて美味しいものを食べるくらいなら、10回ほどは優に行ける。まあ、コロナ感染もすこし下火になりつつあるし、季節のいい頃にまず女房の両親の墓参りをかねてどこかで食事をしたいと考えている。隣に住む次男が車で連れて行ってやると行ってくれているので、3人で食事をすることになるかもしれない。その次男が昨日やって来たので、昨秋に買ったものの何となく私には似合わない気がする、L.L.Beanのウィンディ・リッジ・ジャケット(ウィンドブレーカー、26400円)と同様に一度も腕を通していない、ダウン・ベスト(17600円)、セーター・フリース・フルジップ・ジャケット(16500円)の3着を持って帰らせた。身長は私が175㌢で次男が176㌢なので、L.L.BeanのジャパンフィットならLで、米国フィットのMでほぼぴったりである。先日も同様に一度も着用していないセーター・フリース・プルオーバー(15400円)を同居の娘の連合いに上げたのと合せて、年を開けてからでも4着を処分できた。ネットやカタログで気に入ったものをぱっと見で買うところがあって、結局クローゼットで数年寝かすようなことが度々ある。近年に息子たちに上げたものが10点を下らない。それに加えて、アマゾンで購入のショルダーバッグなどの類いもある。デザインを中心に選んでいるので、息子らが使用してもまったく問題ないと思うがそれにしろどうなんだろう。価格を付記したのは少しだけ自分を戒める目的もあってのことである。

 

本の話である。昨日に続き山田風太郎の著作から、「半身棺桶」(ちくま文庫・1000円+税)、「死言状」(ちくま文庫・950円+税)の2冊のことを。どちらも独特の視点、語り口のエッセイ集である。面白いことこの上ない。お勧めです。

 

「半身棺桶」 「自分が死ぬということ自体が最大の滑稽事といえるかも知れない」―古今東西の人間の死に方に思いを馳せ、小説家とは妙な職業だと訝り、麻雀を楽しみ、チーズの肉トロに舌鼓を打ち、泉鏡花の天才に感嘆し、乱歩の矛盾をみつめ、高木彬光のいびきに閉口する。奇想作家・山田風太郎の日常生活と意見が淡々軽妙の筆致でつづられる、絶品エッセイ集。

 

   

 

「死言状」 死生観からチーズの肉トロまで。 麻雀に人生を学び、数十年ぶりの寝小便に狼狽し、男の渡り鳥的欲望について考察する。「無害で有益な人間はほとんど存在しない」「男の顔の化粧ないしカモフラージュとして、ヒゲほど有効なものはない」「美人好みはホンイチ狙い」「人間は長生きしすぎて、せっかくの完全形をみずから壊す」等々の風太郎流名言(?)も次々と登場。ナンセンスに見えて深遠。これぞ風太郎エッセイ。

 

   

 

「イタリア」&「フランス」で描いた水彩によるスケッチから

「洋画家 仲村一男」のホームページ

 http://www.nakamura-kazuo.jp/