大村彦次郎「文壇うたかた物語」(筑摩書房・2500円+税) | 野球少年のひとりごと

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日曜日であるが、孫娘たち(小学6年になる双子の)は娘の運転する車で(送迎とも)南海駅前にある進学塾まで出かけ、テスト(課題発見)を受けている。テストは午前中に終り、昼過ぎに帰宅したがたいへんご苦労なことである。午後から、隣に住む次男がやって来て、同じ進学塾に通う中2の男の子(次男)の懇談会に行ったときに、塾の壁面にさまざまなテスト結果(学年ごとの成績順位)が貼られていて、そのすべてに姉妹の名前が上位3人くらいに載っていた話をしてくれる。高校受験まで3年あるわけだが、何とか息切れせずにその状態を保って貰いたいものである。次男とは、女房もまじえ珈琲を飲みながら1時間ほど歓談する。次男のところの長男(府立岸和田高校)も来年が受験で、本人は父親の卒業した関学が第一志望らしいが頑張って望みを叶えてほしいものだ。来年の今頃は長男のほうの大学受験の結果が出ている筈だし、次男のほうも私立高校の受験を終えて府立高校の受験直前のところで、とにかくこの1年間の頑張り次第で成否は決まる。

 

本の話である。先日に引き続き大村彦次郎のもので、「文壇うたかた物語」(筑摩書房・2500円+税)、「東京の文人たち」(ちくま文庫・880円+税)の2冊のことを。

 

「文壇うたかた物語」 大村彦次郎さんは、その時分、文士たちから、ときに「鬼の大村」とおそれられ、ときに「仏の彦次郎」とも親しまれていた名編集長である。私にしても、いい小説をお見せしたときの、あの仏さまのような笑顔が拝みたい一心で書いていたものだった。しかし、その大村さんがこれほど筆の立つお方だったとは。文章はわかりやすい上に、常に気品を失わず、内容はおもしろい上に、深い。こうなれば「文の大村」、「中身の彦次郎」と形容を変えなければならない。(井上ひさし)

 作家とはなにか。編集者とはなにか。そんな世界を知りたいひとのために。往年の名編集長が眺めた文壇鳥瞰図。

 

   

 

「東京の文人たち」。帯に「とっておきの百人百話 漱石、荷風から白洲正子、色川武大まで 文庫書き下ろし」「まだ東京が江戸という町の体温を残していた時代に、生を享けた文人たち-江戸末期生まれの嵯峨の屋おむろ、幸田露伴、尾崎紅葉、夏目漱石から小泉信三、花柳章太郎、白洲正子、田村隆一、色川武大まで。東京生まれの作家、詩人、随筆家、画家、役者100人のとっておきのエピソードを集成し、その文業に影響を与えた古き良き時代の面影や東京の文化を端正に描き出す。」とある。「文壇うたかた物語」の著者による東京の文人に関わる話。大村彦次郎の薀蓄は耳を傾けるだけの値打ちがあると思う。

 

   

 

「イタリア」&「フランス」で描いた水彩によるスケッチから

「洋画家 仲村一男」のホームページ

 http://www.nakamura-kazuo.jp/