国木田独歩「武蔵野」(新潮文庫・280円)、「牛肉と馬鈴薯・酒中日記」(新潮文庫・565円) | 野球少年のひとりごと

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朝から雨で、気温も午後3時で8度と寒い。読書に際しても、遠赤外線カーボンヒーターを手放せない。書斎の壁際に並べた椅子の上に毛布を敷いて、3匹の猫たち(メラ、ロク、グレイの1歳の誕生日を迎えた、わが家にやって来て8カ月半の雄の兄弟。他に、15歳半になる先住猫チビ=小型の雌がいる)の寝床に設定しているが、只今もそこで寝ている。今朝、私が起床して書斎に入るととんでもないほど荒れ放題で、夜中の暴れ振りが分る。意識的に餌を与える時間の間隔を延ばした(夜間はいつも4時間ほどだが、7時間に)ら、机の上に置いてある餌の袋を噛みきりあるいは爪で引っ掻き穴を開けて、机のまわりには餌が散乱していた。いままで飼った猫のなかでも元気さではかなり目立つ。何をしても鷹揚に構えていることもあるが、好き放題し放題である。まあ、男子だし元気なのはいいことである。猫たちのことは、女房のブログ「コーラスガールのひとりごと」でご確認ください。

 

本箱を整理していて目に付き、久し振りに読んでみようかなと考えたのが、国木田独歩の「武蔵野」(新潮文庫・280円)、「牛肉と馬鈴薯・酒中日記」(新潮文庫・565円)の2冊である。どちらも短篇集であるが、刊行(文庫本としての)が昭和24年、昭和45年で、私が購入したのは平成3年と平成22年。いずれにしろずいぶん以前のことである。たまにこういう読書もいいかも知れない。

 

「武蔵野」 浪漫主義と抒情に出発した初期の名作17編を収録した独歩の第一短篇集。詩情に満ちた自然観察で武蔵野の林間の美をあまねく知らしめた不朽の名作『武蔵野』、自然を背景にした平凡な生活のうちに広大な一種の無限性を感じさせる『忘れえぬ人々』。ほかに『源叔父』『河霧』『鹿狩』など、簡勁(かんけい)で彫りのふかい文体と、内容にふさわしい構成の秀抜さを示す作品を収める。

 

   

 

「牛肉と馬鈴薯・酒中日記」 近代的短編小説の創始者独歩の中・後期の名作を収録。理想と現実との相克を超えようとした独歩が人生観を披露する『牛肉と馬鈴薯』、酒乱男の日記の形で人間孤独の哀愁を究明した『酒中日記』、生き生きとした描写力を漱石がたたえた『巡査』、ほかに『死』『富岡先生』『少年の悲哀』『空知川の岸辺』『運命論者』『春の鳥』『岡本の手帳』『号外』『疲労』『窮死』『渚』『竹の木戸』『二老人』。

 

   

 

「イタリア」&「フランス」で描いた水彩によるスケッチから

「洋画家 仲村一男」のホームページ

 http://www.nakamura-kazuo.jp/