小沢慧一「南海トラフ地震の真実」(東京新聞・1500円+税) | 野球少年のひとりごと

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また、父・洋画家「仲村一男」の作品を毎日紹介しています。

今朝は、猫たち(メラ、ロク、グレイの生後11カ月、わが家にやって来て7カ月半の雄の兄弟と15歳半になる雌のチビ)に午前2時30分、6時30分と2度餌をやり、起床(9時)後に3匹が寝起きする書斎(14畳の洋室)に入ると床は本は散らばっているし、新聞紙は噛み切られ方々に四散し、ゴミ箱も倒れている。2度目に餌をやったときにはそうでもなかったので、朝方にかけて暴れまくったようである。とても1歳の誕生日前とはいえないくらいにデカくなっていて、全速力で追いかけっこしたりすると大概の障害物はひっくり返してしまう。これほど元気な連中も珍しい。いまは「お昼寝タイム」で3匹ともわたしのすぐ傍で眠っている。寝ているときの顔はまさに天使のようで、暴れているときとの落差がとても大きい。彼らがわが家にやって来てからの7カ月半で、家族同様になくてはならない存在になりつつある。現在、生活に潤いを与えてくれているという意味ではいちばんかもしれない。猫たちの様子は、女房のブログ「コーラスガールのひとりごと」でご確認ください。

 

本の話である。今日で読了の、小沢慧一「南海トラフ地震の真実」(東京新聞・1500円+税)は、調査報道の醍醐味を久し振りに感じさせてくれる好著であった。興味のある方には一読の価値が十分にあると思う。新聞記者による同様の仕事で強く記憶に残る仕事に、須田桃子(毎日新聞科学環境部)「捏造の科学者(STAP細胞事件)」(文藝春秋・1600円+税)があり、同じチームによる「合成生物学の衝撃」(文藝春秋・1500円+税)とともに取り上げる。3冊ともお勧めです。

 

小沢慧一「南海トラフ地震の真実」 発生確率70~80% 実は20%!? 数字を決めたのは科学ではなかった!

 「南海トラフは発生確率の高さでえこひいきされている」。ある学者の告発を受け、その確率が特別な計算式で水増しされていると知った記者。非公開の議事録に隠されたやりとりを明らかにし、計算の根拠となる江戸時代の古文書を調査するうちに浮かんだ高い数値の裏にある「真実」。予算獲得のためにないがしろにされる科学ー。地震学と行政・防災のいびつな関係を暴く渾身の調査報道。

 

   


須田桃子(毎日新聞科学環境部)「捏造の科学者(STAP細胞事件)」誰が、何を、いつ、なぜ、どのように捏造したのか?
 このままの幕引きは科学ジャーナリズムの敗北だ-
 「須田さんの場合は絶対に来るべきです」はじまりは、生命科学の権威、笹井氏からの1通のメールだった。ノーベル賞を受賞したips細胞を超える発見と喧伝する理研の記者会見に登壇したのは、若き女性科学者・小保方晴子。発見の興奮とフィーバーに酔っていた取材班に、疑問がひとつまたひとつ増えていく。STAP細胞報道をリードし続けた毎日新聞科学環境部。その中心となった女性科学記者が、書き下ろす。
 「須田さんは“真相究明派”ですよね」(竹市雅俊・理研CDBセンター長)「でも、最初から疑っていたわけではありません。途中までは、これは論文上の間違いで、STAPそのものはあると思っていました。でも、信じていた部分が崩壊した今、何が知りたいかというと、不正の全容です。どこから始まったのか。誰が関わったのか」このまま幕引きを許せば、真相は永遠に闇の中に葬り去られる。それは、日本の科学界、及び科学ジャーナリズムの敗北とも言えるのではないか。末席ながら科学報道に携わる一人として、また当 初、STAP細胞を素晴らしい成果と信じてしまった責任を果たすためにも、それだけは何としても避けたかった。(本文より)

 

   

 

須田桃子(毎日新聞科学環境部)「合成生物学の衝撃」 コンピュータ上で設計された生命がすでに誕生している 『捏造の科学者』で新たな科学ノンフィクションの地平を拓いた著者が放つ大宅賞受賞後第一作!
 2000年代初頭、マサチューセッツ工科大学に集まった科学者たちは、生物学を工学化することを思いつく。コンピュータ上でDNAを設計し、その生物を実際につくってみるのだ。「合成生物学」と呼ばれるようになるその学問はビル・ゲイツをして「もっともホット」な分野と呼ばれるようになる。企業が血眼になり、軍の研究機関が莫大な予算を投じる。そうした中、孤高の天才科学者が20年かけてついに人工生命体を作ることに成功する。ヒトまでも人工的につくる時代が来るのだろうか?
 「カズオ・イシグロの代表的小説『わたしを離さないで』を読みながら、私は生命科学のある新しい研究分野のことを思い起さずにはいられなかった。/『わたしを……』が描く世界と、合成生物学が発展しつつある現実の世界はどこかでリンクしている。/2000年代に急速に発展したこの分野では、人間が自分たちの遺伝子のセット(DNA)を人工的につくろうとしたり、あるいは、地球上に存在しない生物を、DNAを合成することで実際につくりだしたりしていた。クレイグ・ベンターという科学者のチームがつくりだした生物「ミニマル・セル」には地球上の他の生物にあるような親が存在しない。一方、『わたしを……』に登場する「クローン人間」である生徒達もミニマル・セルと同様、親を持たない。」(本文 プロローグより)

 

   

 

「フランス」で描いた色鉛筆と水彩によるスケッチから

「洋画家 仲村一男」のホームページ

 http://www.nakamura-kazuo.jp/