前田速夫「老年の読書」(新潮選書・1500円+税)、「異界歴程」(晶文社・2800円+税) | 野球少年のひとりごと

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また、父・洋画家「仲村一男」の作品を毎日紹介しています。

昼前に女房は娘の車で岸和田まで出かけ、所属する女声合唱団の新年会に出席する。会場は岸和田駅近くの「割烹ふじ原」、もともとが鮮魚と仕出しのお店で現在も1階で営んでいる。味はどうだったんだろう。午後にアマゾンから荷物が届いて開封すると、前田速夫「老年の読書」(新潮選書・1500円+税)が現われる。前田速夫「老年の読書」は、東京で専門広告代理店を経営するFさんに教えて貰ったもので以前にも「異界歴程」をご恵贈いただいた。独特の教養・センス(美術、映画、音楽、本などカバーする範囲も広く)の持ち主で、読書傾向もわたしなどの興味の薄いおそらくこういうことがないと、一生読む機会のないものを含む。数年前に頂戴した「異界歴程」は目次こそ確認したが本箱に放置、「老年の読書」はタイトルにひかれての購入。本書を読了後に、前田速夫の代表的な仕事であるらしい「異界歴程」も読もうと考えている。

 

「老年の読書」 読まずに死ねない本がある。キケロ、モンテニューから古井由吉、山田風太郎まで。50冊を超える名著から箴言を厳選。 賢者たちは老いをどう考えていたか。これを読めばもう死は怖くない。(川本三郎氏 推薦!)

 老いに克つ、老いに向き合う、老いの悩みに答えるー

   「死の術(すべ)は生涯をかけて学び取らねばならないものである」(セネカ)/「不知(しらず)、生れ死ぬる人、何方(いづかた)より来たりて、何方へか去る」(鴨長明)/「『サヨナラ』ダケガ人生ダ」(井伏鱒二)……キケロやモンテニューから古井由吉、山田風太郎まで、文芸誌の元編集長が、内外の名著から、より善く老いるための箴言を厳選して懇切にガイドする。

 本書で紹介する、これだけは読んでおきたい名著たち キケロ『老年について』/セネカ『生の短さについて』/モンテニュー『随想録』/鴨長明『方丈記』/吉田兼好『徒然草』/シェイクスピア『リア王』/トルストイ『イワン・イリッチの死』/チェーホフ『退屈な話』/井伏鱒二『厄除け詩集』/谷崎潤一郎『鍵』『瘋癲老人日記』/田辺聖子『姥ざかり』/高見順『死の淵より』/古井由吉『白暗淵』/山田風太郎『人間臨終図巻』/佐野洋子『がんばりません』/富士正晴『どうとなれ』 など多数。

 

   

 

「異界歴程」 「新潮」編集長の余多(よた)歩き民俗学

 固着しない生き方が日本列島の文化を豊かにして。歴史と民俗の闇の中で光を発した人々がいる。タブーに封印された白山信仰の謎に迫る。

 日本列島は埋もれた知の宝庫。図書館は未知の資料の海。いちばんの燃料は「なんでだろう?」の心。/文芸誌「新潮」の編集長として第一線の作家とその作品に接するかたわら、不可思議な伝承に伝わる地を歩いてきた著者の、初の歴史・民俗学エッセイ。/なぜ、小泉八雲は松江で大黒舞を観て異様に感激したのか。泉鏡花「高野聖」の舞台は、架空か現実か。モガリを営んだ古代の一族は、どこに消えたか。/円空、菅江真澄、アルメイダなど、安住の地を見出せない宗教者の眼に映った風土と、被差別者に封印された自由信仰の謎を通して、日本文化の地下水脈を探る。/巻末に、谷川健一氏との対談「ふたたび、独学のすすめ」を付す。

 

   

 

「フランス」で描いた色鉛筆と水彩によるスケッチから

「洋画家 仲村一男」のホームページ

 http://www.nakamura-kazuo.jp/