山田宏一「何が映画を走らせるのか?」(草思社・3800円+税) | 野球少年のひとりごと

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また、父・洋画家「仲村一男」の作品を毎日紹介しています。

午前中、近所の歯医者まで出かける。年末に奥歯の一部が欠け、その修理・治療で訪れたが少し複雑な箇所であり、今日で型取りまで進まなかった。次回は、神経を抜き本格的な治療をするらしいが、型取りまで一気に行けるかどうか不明。午後からは隣に住む次男がやって来て、女房をまじえ1時間くらい喋る。珍しくもわが家のルーツの話になり、昨年叔父の遺産相続手続の際に取り寄せた原戸籍などで判明したことなどを教える。仲村に関してはわたしが5代目で、堺に住む長男が6代目、その息子が7代目となる。大した家系でもないが、祖母方のルーツは和歌山県日高郡の造船所を営む湯川家(江戸時代は、名字帯刀)で、戦前は和歌山県の有数の高額納税者であったらしい。分家筋に、湯川秀樹が養子に入った湯川胃腸病院(大阪市)がある。私の母方も、その父親が戦前海軍関連の鉄工所を経営していて、海軍の飛行機でサイパンなどへ出張していたらしい。飛行機といえば、その海軍に何機か献納したようだ。また、出身地の茨城県の村に小学校の講堂を寄付したり、戦後もたいへん羽振りがよく、地元の代議士などが選挙前になると選挙資金を調達に訪れて来たようなことを聞いている。いわゆる地元の名士で、地元警察や消防署、税務署の一日署長をつとめた写真も見たことがある。一方、父のほうであるが祖父は貝塚市の寺内町(願泉寺=貝塚御坊)で魚屋を営み、後に岸和田駅前商店街に移り祖母が呉服店をはじめた、さらに父が絵描きになった頃に画材店にくら替えした。私が生まれたのは、商店とは別に住居とした場所である。祖父とどのような繋がりがあるのか分らないが、大正から昭和30年代くらいまで岸和田で幅をきかせた博徒組織「金神組」の2代目の組長が仲村弥八で、曾祖父が弥七なので叔父甥くらいの関係かも知れないが戸籍では判明しなかったが。ただ、血縁には違いないようだ。久し振りにそのような古い話がよみがえった。

 

本の話である。映画関係の本で、山田宏一「何が映画を走らせるのか?」(草思社・3800円+税)と山根貞男「現代映画への旅」(講談社・2300円+税)の2冊のことを。刊行は、2005年、2001年。

 

山田宏一「何が映画を走らせるのか?」 映画本大賞2005第1位!(「キネマ旬報」誌) 映画の魅惑の正体をめぐるまったく新しい映画史! 映画の歴史を進める原動力とは何か?リュミエール時代から現代まで、映画の魅惑の正体をもとめて、百年の歴史を読み直す。

 

   

 

山根貞男「現代映画への旅」 映画時評1994-2000 誕生から百年を越えて激変する日本の、そして世界の映画の、現代への旅。
 本書は月刊文芸誌「群像」1994年1月号~2000年12月号に連載した映画時評が収録されている。(中略)その間、映画生誕百年を迎えたことが感慨深い。百年に過剰な意味を持たせるつもりはないが、大きな区切り目であることは間違いない。19世紀末に生まれた映画は、百年の歩みのなか、途方もなく様変わりしてきた。むろん不変の部分もあって、それこそが映画表現の根底をなすと思われるが、そのことの捉え方はめざましく変容してきたし、いまなお変容しつつある。本書では、ご覧のように日本映画と外国映画を区別することなく、ごっちゃに取り上げている。もともとわたしは日本映画について書くことから出発し、そこに固執してきたが、あるときからそんな自己限定に不満も感じるようになり、少なくとも連載では“横断”ということを一番の課題とした。――あとがきより

 

   

 

「フランス」で描いた色鉛筆と水彩によるスケッチから

「洋画家 仲村一男」のホームページ

 http://www.nakamura-kazuo.jp/