わたしの選ぶ今年のベストテン(新刊・旧刊から) | 野球少年のひとりごと

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本のことを中心に、関西学生野球や高校野球のことをつぶやいています。
また、父・洋画家「仲村一男」の作品を毎日紹介しています。

いよいよ暮れも押し詰まって来て今日は大晦日。女房は朝からお節料理の準備で忙しくしている。娘夫婦一家(小学6年になる双子の女の子と)は、午後から車で近所のショッピングモールまで出かけている。隣に住む次男のところ(高校2年と中学2年になる男の子がいる)はどこへも出かけず、何となくひっそりしている。わたしはいつものように書斎で、いまは鈴木道彦「フランス文学者の誕生(マラルメへの旅)」(筑摩書房・3300円+税)を読んでいる。猫たちのうち、ロク、グレイは書斎の来客用の椅子のうえで、メラとチビは私たち夫婦の寝室で、それぞれ昼寝をしている。今年を振り返ると、まずいちばんが昨年の今頃に血液の癌(ステージ4)が発見され、抗がん剤による治療を続けていた妹が今年の夏に、これは奇跡的といってよいと思うが癌が消え「寛解」までこぎ着けたこと。その次が一気に次元の違う話になってしまうが、15年ぶりに猫を飼い始めたことで彼ら(3匹の雄猫)とのたいへん活気に満ちた生活が生じたこと。元はと言えば、今夏に15歳になったチビ(小型の雌)の衰えが顕著(夜間に泣き叫んだり)になったので、子猫でも飼えば元気を取り戻すかと考えて6月に生後3カ月半になる3匹の兄弟猫を貰って来た。チビが泣き叫ぶことは止まったが、子猫だった筈の3匹があっという間にチビより大きくなって、彼らだけの世界をつくり始めたのでよかったかどうか。ただ、孫娘たちにとっては最高のプレゼントになったし、私たち夫婦にとっても確かに手間が掛るにしろ精神的に大いに和ませてくれるところがあって、よかったと痛感している。3番目は、4年ぶりに大阪まで出かけ大学時代から続く友人に会ったことで、このところ超がつくほどの出不精に弾みがついていた私としたら本当に楽しかった一日で、たまにこういうこともいいことであると実感した。他にも、わが家(娘の連合いと孫娘たち)、隣の次男夫婦一家(次男を除く全員)、堺に住む長男夫婦一家(小学2年になる男の子を含む全員)の3軒ともコロナ感染に見舞われたが、幸いに重篤になるものもなくこちらも奇跡的に私たち夫婦は罹らずに済んだことなどがある。女房について言えば、コロナ禍の間休止していた所属する女声合唱団の定期練習への参加を再開したこと。

 

本の話である。今年はかなり本の購入を絞った(これは書斎にある未読のものが5000冊を越えたこともある)ので久し振りの200冊台である、234冊を購入。その殆どはアマゾン(一部、ネット通販「古本市場」)での購入。雑誌が、定期購入の「BRUTUS」「POPYE」「サライ」を中心に、「&Premium」「BRUTUS Casa」などで59冊。で、本箱にある旧刊も入れて200冊ほどを読了したが、その中から面白かったものを上げてみる。

 

私的読書評価(☆☆☆=素晴らしい ☆☆=大変よかった ☆=よかった)

 (☆☆☆)

  今年はなし

 (☆☆)

  小玉武「『洋酒天国』とその時代」

  池澤夏樹「また会う日まで」

  坂本龍一「ぼくはあと何回、満月を見るのだろう」

  獅子文六「娘と私」

  獅子文六「父の乳」

 (☆)

  安西水丸「東京美女散歩」

  小玉武「佐治敬三」

  嵐山光三郎「昭和出版残侠伝」

  竹中明洋「殺しの柳川(日韓戦後秘史)」

  小玉武「評伝開高健(生きた、書いた、ぶつかった!)」

  津野海太郎「かれが最後の書いた本」

  小沢信男「捨て身なひと」

  小沢信男「通り過ぎた人々」

  嵐山光三郎「よろしく」

  松田哲夫「編集狂時代」

  高野慎三『神保町「ガロ編集室」界隈』

  松田哲夫「縁もたけなわ」

  長井勝一『「ガロ」編集長』

  永山薫「エロマンガ・スタディーズ」

  稀見理都「エロマンガ表現史」

  藤本由香里「快楽電流」

  南伸坊「私のイラストレーション史1960-1980」

  末井昭「自殺」

  永山光雄「AV女優」

  田尻賢誉「広陵・中井哲之のセオリー」

  多賀章仁「一体感で勝つ」

  小林信彦「面白い小説を見つけるために」

  鹿島茂「パリ風俗」

  鹿島茂「パリの日本人」

  鹿島茂「子供より古書が大事と思いたい」

  獅子文六「自由学校」

  獅子文六「やっさもっさ」

  大下英治「ハマの帝王(横浜をつくった男 藤木幸夫)」

  大下英治「最後の無頼派作家 梶山季之」

  恩田侑布子「星を見る人(日本語、どん底からの反転)」

  萩原博子「マイナ保険証の罠」

  遠藤誉『習近平が狙う「米一極から多極化へ』

  遠藤誉「習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン」

  遠藤誉『「中国製造2025」の衝撃』

  松原文枝「ハマのドン(横浜カジノ阻止をめぐる闘いの記録)」

  山口香「スポーツの価値」

  藤木幸夫「ミナトのせがれ」

  遠藤誉『もうひとつのジェノサイド長春の「チャーズ」』

  海老坂武「戦争文化と愛国心(非戦を考える)」

  海老坂武「祖国より一人の友を」

  海老坂武「サルトル(「人間」の思想と可能性)」

  海老坂武「パリ|ボナパルト街」

  鈴木道彦「異郷の季節」

  鈴木道彦「越境の時(1960年代と在日)」

 

※今年、(☆☆☆)がなかったのですが、近年の(☆☆☆)を上げてみました。

  2022年  川本三郎「荷風と東京『断腸亭日乗』私註」

  2021年  宮田毬栄「忘れられた詩人の伝記(父・大木惇夫の軌跡)」

  なお、2020年以前は(☆☆)(☆)の2段階評価。従って、列挙したものは(☆☆)。

  2020年  石原慎太郎「石原慎太郎の文学1 刃鋼」

         大岡昇平×埴谷雄高「二つの同時代史」

         谷沢永一「回想 開高健」

         開高健「青い月曜日」

         安宅和人「シン・ニホン」

         岩田健太郎「ジェネリスト宣言」

         レベッカ・ブラウン「体の贈り物」

  2019年  大場正明「サバービアの憂鬱(アメリカン・ファミリーの光と影)」

         エリック・シュミット他「How Google Works(私たちの働き方とマ

         ネージメント)」

  2017年  「田村隆一全集(全6巻)」

  2016年  井出英策、古市将人、宮崎雅人「分断社会を終わらせる」

         山田太一「早春スケッチブック」

  2015年  毎日新聞科学環境部・須田桃子「捏造の科学者(STAP細胞事件)」

         「阿川弘之全集 第12巻 評伝Ⅱ(米内光政)」

  2014年  内田樹「もう一度村上春樹にご用心」
         庄野潤三「懐かしきオハイオ」

  2013年  三浦哲郎「忍ぶ川」

         津野海太郎「おかしな時代『ワンダーランド』と黒テントへの日々」

         小泉信三「海軍主計大尉 小泉信吉」
         杉山隆男「兵士は起つ」

         日垣隆「情報への作法」
         帚木蓬生「逃亡」

  2012年  河北新報社「河北新報のいちばん長い日(震災下の地元紙)」
 

「グアダムール」(スペイン)

  油彩652×803 (1981)

 

「洋画家 仲村一男」のホームページ
 http://www.nakamura-kazuo.jp/