恩田侑布子「星を見る人(日本語、どん底からの反転)」(春秋社・2640円) | 野球少年のひとりごと

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また、父・洋画家「仲村一男」の作品を毎日紹介しています。

今日は、昨年18歳で亡くなったノン(雉虎の雌)の祥月命日である。旧居時代にレオ(アメリカンシヨートヘアの雄)の相手として貰われて来て、6匹の子を産みその中から残した雄の2匹(ジャック、ロージ)を育て、2年ほど後に4匹で現在の住まいへ引越しして来た。引越しに際してはハナ(雑種の中型犬の雌)も一緒であった。引越しして来た年の夏に、建設中の小学校の現場で大きな声で泣き叫んでいたチビ(小型の白の雌猫で、耳がまったく聞えない)を拾って来た。最初少しだけ警戒していたノンであるが何とか受け入れてくれて、そこから家族同様の暮らしが始まった。ハナが15歳で亡くなり(老衰)、ついでジャックが9歳半で死んだ(医療ミスで)。そのときはしばらく、夫婦揃ってペットロスになった。何とかそれを乗り越えて、残されたレオ、ノン、ロージ、チビの4匹と一緒に暮した。小学校への入学(双子の女の子の)を機に同居し始めた娘夫婦一家の、その孫を見守る役目を任じているように彼女らの相手をするロージがいた。そのロージも、孫娘たち(3年生になっていた)に見守られ15歳の天寿を全うした。そして昨年に、こちらも家族に見守られる(臨終の姿を)なかノンが18歳の同じく天寿を全うした。旧居時代も引越しして来てからも家族を見守るのはノンで、たいへん賢い猫であった。ノンが亡くなってからしばらくしてチビの様子が変調を来し始めた。激しく夜泣きはするし、毎日ほど嘔吐をするようになった。子猫をあてがったら少しは元気になるかも知れないと考え、今年の6月に3匹の雄猫(メラ、ロク、グレイ)を貰って来たが、既に生後4カ月であったのと元気すぎるほど元気な(やんちゃと言ってよい)子猫たちを中々受け入れようとしないので、チビにとってよかったのかどうか分らないところがある。ただ、孫娘たち(6年生になる)にとって子猫から飼うのは初めてのことであり、たいへん可愛がっている。チビへのプレゼントというよりは孫娘たちへのプレゼントとなったようだ。その子猫たちが2月14日生まれで、今日でちょうど生後7カ月(わが家にやって来て3カ月半)となる。3匹のうち、グレイは冷房からすぐの本箱の上で、ロクは来客用の椅子で、メラはステレオセットの後ろの、それぞれわたしが作業中の書斎で昼寝中であるが、孫娘たちが帰宅すると同時に1階のリビングまで拉致してゆく。子猫たちの様子は、女房のブログ「コーラスガールのひとりごと」でお確かめください。

 

本の話である。一昨日の朝日新聞の新刊広告で知った、恩田侑布子「星を見る人(日本語、どん底からの反転)」(春秋社・2640円)をアマゾンに注文しておいたものが今日届いた。わたしには未知の著者であるが、新聞広告の惹き句につられての購入で

ある。本箱から俳人と歌人の違いはあるが、わたしの好きな歌人ふたりの代表作である、佐伯裕子「あした、また」(河出書房新社・1500円)と道浦母都子「夕駅」(河出書房新社・1650円)の2冊も紹介する。たまにこういう読書もよいと思う。

 

恩田侑布子「星を見る人(日本語、どん底からの反転)」 ドゥマゴ文学賞俳人の眼 詩想の源泉に脈打つ言葉 ことばの手ざわり、肌ざわりに誘われ、情感の深みへ 芭蕉、蛇笏、久保田万太郎、石牟礼道子、荒川洋治、井筒俊彦、草間彌生……絶滅危惧種となった風合いのある表現に、ゆらぎ、渦巻き、なりかわる、こころ・からだ・いのち。 芸術選奨文部科学大臣賞・ドゥマゴ文学賞俳人による五感を震わせる評論!

 近代以降の危機のなかで、痩せ細りジャンク化していく文化と言葉に全体重で抗って、生きて愛して表現してきた芳醇な人々がいる。/しんじつの人間の声を刻んで、わたしたちのしょんぼりしがちな精神に滋養を与えてくれるゆたかな作品がある。(「はじめに」より)

 

   

 

佐伯裕子「あした、また」 「母さん」と庭に呼ばれぬ青葉濃き頃はわたしも呼びたきものを秋の日にあの世から射す薄明かり 踊ろうよねえ唇噛んで帆船の傾ぎて揺るる陽のはだら命を重しと誰が決めにき

 いま、ここを過ぎ行く時が痛くてならぬ…… なによりも、<世界>を恋うるものとして、そしてまた、母として、妻として、ひたすらにほんとうの声を求め、彼方へ生き抜こうとする心の震えが生み出す鮮烈な現代の詩歌!

 

   

 

道浦母都子「夕駅」 さようならは決して言うまいーたとえ孤独の指を組んでも 暮れ方の季節を詠う女歌! 両手にて 君の冷えたる頤(おとがい)を 包みていしは 冬の夕駅

 

   

 

「モロッコ」で描いた水彩スケッチから

 

「洋画家 仲村一男」のホームページ

 http://www.nakamura-kazuo.jp/