本の話である。今日アマゾンから届いたのはいずれも今月の新刊で、森功「地面師(他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団)」(講談社・1600円+税)、中野翠「ズレてる、私!?(平成最終通信)」(毎日新聞出版・1400円+税)の2冊である。事件物や闇世界に取材したルポルタージュでは当代随一の森功による、昨今マスコミを賑わせている積水ハウスが被害者となった事件などについて書かれた「地面師」と、もう1冊は毎年年末に刊行されることでいよいよ年の終わりを感じさせる、中野翠のサンデー毎日好評連載コラムを単行本化した「ズレてる、私!?(平成最終通信)」である。いずれも読了後にあらためて。
森功「地面師(他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団)」 全国の不動産関係者、銀行員、デベロッパー社員、弁護士・司法書士、必読の書。知らない者から、喰い物にされる 積水ハウス、アパグループ…不動産のプロがコロッと騙された複雑で巧妙すぎるその手口
いま日本中で「地面師」という詐欺師集団が跋扈している。彼らは不動産の持ち主になりすまし、勝手に他人の不動産を転売して大儲けしている―.
積水ハウス55億円 アパグループ12億円 騙し取られたカネは、一瞬で闇に溶けた…「あなたたちは、どちらの方ですか」積水ハウス工務部の担当者たちはパトカーから降りてきた警察官にいきなりそう誰何された。まったく事情が呑み込めない。まさに面食らった。「ここは持ち主からうちが買い取ったんです。それで、測量を始めたところですが……」二人の工務部員のうちの一人が、警察官にそう説明した。すると、そこへ通報した弁護士が割って入った。「あんた方、何を言ってるんですか。私こそ持ち主の依頼でここへ来ています」すでに旅館の売買契約を済ませていたはずの積水側にとっては、まさに寝耳に水だ。「何を言ってるんだ。支払いも済ませているんだよ。何の権利があって邪魔するんだ」だが、弁護士も負けていない。「依頼人はこの旅館を売っていないんだから、測量なんか絶対させないよ」 なぜ、こんなことに…迫真のドキュメント!
中野翠「ズレてる、私!?(平成最終通信)」aibo買いました。 ●聡太君の強心臓 ●快男児・大谷 ●栃ノ心「怪力勝負」 ●奇跡の羽生 ●黒澤の閃き ●恨みます築地移転 ●喫茶店病 ●美智子さまの“積ん読” 時代を越えて語り継ぎたい映画・美術・本…娯楽バナシ満載で平成最後の一年を総ざらい!
いくつになっても、「本当の自分」なんてものには出会えない気がする。抑えても抑えきれないズレの中にこそ、「私」がある。 スマホを置いて街に出よう。世俗観察コラム集(自筆イラスト&自作句付き)。
油彩「無題」
380×455センチ(1948)
「洋画家 仲村一男」のホームページ
http://www.nakamura-kazuo