(再録)西加奈子、「直木賞」受賞! | 野球少年のひとりごと

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(再録・2015.1.16既出)昨晩のニュースで、母校法学部卒業の西加奈子が「サラバ!」で直木賞受賞を知る。高校も泉州の堺にある府立泉陽高校(与謝野晶子の母校でもある)で、以前から親近感は持っていたがこの受賞は大変嬉しい出来事であった。彼女の受賞直後の記者会見がニコニコ動画で中継されたが、明るい受けごたえとそのそつのなさ、もっと言えば情感のこもるなかにも小説家らしいいい言葉で、いちばん伝えたいことを述べていて好感が持てた。少しだけ抜粋すると、母親からは何かにつけて「ありがとう」と言いなさい、ということをさらに「ものよろこびしなさい」という最近余り聞かなくなったけれど大変いい言葉を、こちらは祖母も含めて言われ続けたらしい。いろいろなことに対して相手もつられて喜ぶくらいに喜ぶことと言ったらいいだろうか、そういう感情の表せ方ができる人は大変幸せだと思うし、渡世もきっとうまくいくと思う。

余談であるが、わが家では(亡くなった母がやっていて見様見真似でわれわれもするようになった)よそ様にお世話になったり何かを頂戴したりしたときは、まずその場でお礼を申しそして直近にその方とお会いしたとときにも忘れずに、もう一度お礼を申すようにしている。母など、例えばお歳暮などをご持参いただいた方がご自宅に帰着する頃に、電話でもう一度お礼を申していたくらいである。

そのようなことを思い出させてくれる西加奈子の記者会見であったが、もうひとつ報知新聞の記者のプロレスがお好きだそうでという質問に対して、新日本プロレスのファンだそうだが一時人気が陰った時代があって東京ドームもがらがらで、その当時にどちらかというとチャラい印象を持たれた若手のレスラーが、昨年だったかの東京ドームが満員になった試合で「一生懸命やっていればこういう日も来るのだなあ」と言ったことに、多くの作家が大変頑張っていい仕事をしているのに本が売れないという文学界の今日の状況を引きつけて、これは最後の一言でも述べたことであるが、とにかく本屋に行って1冊でも本を買ってくださいと情感をこめて述べたことは、質問者の意図を越えて会場いっぱいのマスコミの連中を感動させるに足るものだった。このような場で、今回のように好意的に捉えられた珍しいケースのように思う。後輩の受け応えを少し気に掛けながら見ていたので、こちらまで嬉しくなった。ほとんどの小説をハッピーエンドで終わらせるという、小説家西加奈子の今後に注目したいと思う。
なお、記者会見の模様は、THE PAGEの芥川賞、直木賞記者会見で見ることができる。
http://thepage.jp/detail/20150113-00000003-wordleaf



写真は、二色の浜海浜公園から関空連絡橋を遠望する