佐々木から抱かれた後の時貞には話したくなかったのだろう、佐々木が抱く前の普通の状態の時貞に、とよの最後を伝えて、罪人がどうされたかを聞き出して欲しかったのかもしれない。絹には時貞にしか言ってないことがあった。絹もキリシタンである。十字架の物は持ってないが、自分の掌の相の中に十字架があるから、辛くなった時はそっとそれを眺めると言っていた。絹は、時貞がキリシタンと知っていたからこそ話したのだ。そして、絹は時貞がやっていることの意味も理解していた。だからこそこっそりと情報を流していたのだ。時貞が、とよの事を頼んだのにも、そういう繋がりがあったからなのである。


とよの死の原因は、キリシタンであったこと。それ以上に辛かったのは、万と変わらないとよが男をとらされ、嬲られ、殺されたことだった。多くの者がこういった殺され方をしていたこの時代、時貞とてみたことが無いわけではなかった、しかし、自分と関わった少女が辛い思いをしたまま命を奪われたことに、自らの無力さを痛いほど感じたのだ。自暴自棄に近い状態で、佐々木と交わっていた。


「いつもより、いたぶりがいがあるがの。そう言われてもの、お主が良い顔をせぬいたぶりはしとうない。お主のここが、張りつめて出せぬ状態で狂う姿の方がよほどいい。」


そういいながら、吐き出せぬように根本をしっかり握られ、胸をまさぐる手が時折張りつめた先をグリグリと潰してくる、痛いほどの快楽が身体を駆け巡り思考を奪ってゆく、後ろの穴に抜き差しされる佐々木の物が、凶器のように内側をえぐってくる。その感覚が快楽でなく、痛みであればなおよいのにと、そう思うばかりの時貞は、自ら深く中に突き刺さるように佐々木に押し付けていた。こうすれば、とよの痛みがわかるかのように、とよを助けれなかった自分に仕打ちをするように、佐々木に手荒く抱かれていたのだ。


「佐々木さ・・ま・・んんっ、ああ、もう・・くる・・し・」


「お主は・・これ・・を・・求め・・てたのじゃろう。まだじゃ、まだじゃ」


出せぬまま頭が真っ白になる時が何度となくくる、感覚がマヒしてくるほど擦りあげられる後ろからは、グチャグチャと音が響く。女としてもこんな音がするなとぼーっとしていると、極まって来たのだろう、佐々木の口が饒舌に滑り出した。


「先日・・んああ・・ここの・・こむすめがの・・死体で奉行所に・・運ばれて・・来た・・酷う扱われてたらしくてな・・・儂も・・・辛かったのう・・・あああああ・・もうすぐじゃ・・」


「なぜ・・そんな・・ひっあん・・うう・・」


「キリシタンと言って切られたんじゃ・・・まだ・・子供・・改宗・・・・させれば・・よいものの・・んんん・・あまりに非道な仕打ちじゃったからの・・・奉行が・・その男はところ払いしたぞ・・さんざん・・な・・目に・・あった・・ものよ・・のう・・ううっ」


「あああああ!!」


佐々木が果てる前にきつく締めていた根本を離し中に一気に突き入れ、果てた、その時、時貞も身体を震わせて出し切っていた。

ずるりと、芯を出しながら先ほどの話の先を佐々木が話している。今日はよほど時貞との交わりが良かったのだろう、彼の嗜虐心を満たしたらしい。


「そう言えばの、その娘は男の耳傍で、(救世主様)と呟いたらしい。なにが救世主よの。その娘の命ひとつ救えず、無残に殺されたわ。じゃがな、その娘肝が据わっておったのかの、救世主とは誰だと、刀を向けて問いただしたらしいがの、いっさい口をわらなんだ。じゃから、殺されたと言っても過言ではなかろう。奉行所でも、キリシタンを捕まえるとな、度々聞くのよ。要注意人物と思われるがの、一向にその者の姿はようわからん。若いのか、年を取っているのかさえもわからんのだ。」


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