二人で海までやってきました。まだ太陽も昇っとりません浜は、二人で見た海がめの子どもの巣立ちを思い出されますなあ。
「なんなんよ、こんな朝早ようから海なんかつれてきてぇ」フア~
波美さん大きなあくびでんな、仕方ありません。
「あのな、 あの、 あのな」
「ほなけなん?」
「やっぱりな、その、そのやね。君が昨日の夜言ったことやけどな、考えてみたら、その~君もそれなりの歳というわけやな。」
「それなりの歳ってなんなんよ」
「ん、まぁ、君も生物学的に言ったら成熟期というわけで、この時期はあんまり長くないということや。そして、
僕の研究もいつ出来上がるかもわからへん。僕の研究を待っていたら時間はどんどん過ぎてゆく。時はうつろう、それは普遍的な法則や。そうこうしてるうちに君の一番いい時期を逃してしまう。」
「ちょっとちょっと、待ってー。なに、つまり何がいいたいんよ。」
なんや、はっきりしませんなぁ。ついでにどこぞで聞いたような話方でんなぁ。
はぁー、勝乃新大きく息を吐いて、
つまりな、君との子ども見たくなったんや。」
「へぇ?なんなん、あんたいっつも唐突やなぁ、なんやプロポーズの時もそうやったじぇ。ぷっ、なんやぁ
勝乃新、あんたさっきプロポーズの時と同じセリフゆうとったじぇ。」
勝乃新、照れくさそうに頭かいとります。
「なんで、いっつも急に考え方変わるん、うちたまについていけへん。」
「え?!、じゃ、昨日の君の言ったことは、なしなんか?」
「そんなこと、ゆうとらんじょ。ただ、急に考え方かわるし、ほんで、こんな話を、なんでこんな朝早くに、まして浜で話すんよ、家でもええでぇ。」
「それはな、君と出会ったのも、君のお父さんに結婚許してもろうたのも、結婚式で一平くんに祝ってもろうたのも、全部この浜でやったんや。なんや、僕らの大事なこと全部ここで起こっている気がする。せっかくやから、子作り宣言も聞いてもろとかんとあかんと思うたんや。」
「ほういえば、ほうじゃ。なんや、ちょっとおもしろいな。」
「で、君の返事は?」
「そら、もちろんよ!!」
あらら、勝乃新はん子どものような笑顔でんな、そんな顔みてたらなぁ、波美さん思わず、チュッてしたくなりますわな。
「な、なに・・!君こそいつぞやの・・・」
「それはお互い様じょ。」
くったくなく笑いますなぁこの二人、うらやましいでんなって、ちょっとちょっと・・・・。
波美の顔に、勝乃新の顔が近づき、そっと口づけします。
やさしい波の音に、波に光る朝日の光が、二人の次へのステップを祝福してるようですなぁ。
「朝からなにしとう私たち。」
「ほんまや。そろそろ戻ろっか、僕はお腹ペコペコや」
「なんや、今までのロマンティックな気分台無しでーだ。でも、うちもペコペコや。」
そっと勝乃新が出す手を、波美さん嬉しそうにつなぎます。二人そろって仲良く帰る姿、ほんま幸せそうでんな。
あれから数ヵ月が経ちました。
なんや、波美さん嬉しそうですな。
「あんな勝乃新、うちら、子がめから、親がめになれそうじぇ。」
勝乃新の大きい眼が、一段と見開かれとります。
「ほんま!!」
「今日、病院行ってきたら、ほら。」
波美さんが超音波写真を勝乃新に見せます。
「ほんまや~。まだちっちゃいなぁ。やったなカメ子おめでとう。これからがんばろうな」
いい笑顔で勝乃新が、波美さんの頭を抱き寄せます。
「うん。」
いかがでしたでしょうか。なんて中身のない、取り止めのない話ですが、この二人ならこんな感じもありえるかな
と思いながら書きました。
小説なんて言うものではないかもしれませんね。これ読んで気を悪くなさった方、ごめんなさい。
これは、あくまでも olaila版 です。