※下までスクロールしていただくと治療後の写真があります。

 

1ヶ月以上前から全身の痒みと脱毛を主訴に来院された犬の皮膚です。

写真は右ひじと体幹の左側の2枚ですが、顔・耳・両前後肢

体の両側いたるところに慢性化した皮膚病変と脱毛が認められました。

痒みが酷くワンちゃん自身も辛そうですショボーン

 

外観と症状である程度原因を絞ることもできますが経過時間が長いほどそれも難しくなります。

今回は、皮膚の分泌物検査・被毛検査・外部寄生虫検査をさせて頂きました。

 

細菌感染は起きてるもののおそらく2次的なもので根本原因ではなさそう……

被毛検査で真菌(カビ)の可能性は低そう……

寄生虫検査でもノミもダニが見つからない……

アレルギーやアトピーは多いのですが今回のケースで最初に疑うにはちょっと違う感じが……

 

この時点で明確に原因を特定することは出来ませんでしたが

皮膚の状態・予防歴・生活環境を考えると私の中でどうしても【ヒゼンダニ】というダニの疑いを捨てきれませんでしたサーチ

寄生虫検査でダニが見つからなかったんじゃないの?と思う方もおられるかと思いますが、じつはこのヒゼンダニは検査したからと言って必ず見つかるわけではありませんお願い

 

飼い主様にその事情を説明して今回はヒゼンダニに効果のある寄生虫の駆除予防薬と細菌感染に対する抗生剤を処方して治療の反応をみさせて頂くことになりました。

 

そして約1ヶ月半後……

痒みもほとんどなくなり皮膚病変も改善して被毛もだいぶ生えてきましたキラキラ

ワンちゃん自身も痒みがましになり元気そうですし飼い主様も喜んでおられました。

 

まだ完全に生えそろってるわけではありませんが、月1回寄生虫駆除予防薬を継続していただき経過観察としました。

 

今回のように原因を特定できない場合には否定できるものを否定したうえで可能性の高いと考えられるものの治療を説明したうえで試験的に実施させていただく事も珍しくありません。

 

皮膚の異常は時間が経過して慢性化するほど治りにくくなり治るのに時間も費用もかかってしまいます。

異常を感じられた際は早めに受診してあげて下さいねOK

 

福西