今日、この記事を見てくださった方にご相談があります。

僕が解いたH20年事例2について、アドバイスを頂けないでしょうか。


この事例はこれまで一度も見たことがなく、初めて解いた問題です。今の実力をほぼ出し切ったと感じていて、これ以上のレベルはまだ出せそうにないです。また、ふぞろいで採点した限りでは悪くなさそうです。


何もお返しすることはできませんし本当に厚かましいご相談ですが、より上のレベルを目指すため先輩方の意見を聞かせて頂けると、とてもうれしいです。もし可能でしたら、アドバイスをどうかよろしくお願い致します。


問題文はこちら(TBC受験研究会 過去問DLページ)です



問1(10点)

B社が長年にわたって顧客に指示された理由は何か。30字以内で2つ答えよ

 ・仲居が1人1部屋を担当するきめ細かい対応があるから。

 ・非日常を味わうためのコンセプトを明確に顧客へ訴求しているから。


問2(20点)

B社の予約客の数が減少した理由は何か。30字以内で2つ答えよ。

 ・B社より価格の低い外国資本のホテルに顧客を奪われたため。

 ・顧客候補の定年後老夫婦が分譲マンション購入に流れたため。


問3(20点)

B社の4代目経営者の拡大構想には、マーケティング戦略上、どのような問題があるのか。50字以内で2つ答えよ

 ・仲居が1人1部屋担当するきめ細かさが、客室増加やメインダイニングの食事で失われる問題がある。

 ・和洋折衷へ転換すると和の風情に親しみたい客への訴求力低下と温泉ホテルと競合激化という問題がある。


問4(20点)

B社の現在の設備と経営システムを大きく変えずに、顧客を増やすプロモーション戦略はどのようなものか。次の設問に答えよ


(設問1)

既存顧客に向けてのプロモーション戦略について50字以内で答えよ。

 過去の宿泊客へ手書きのDMを出し、きめ細かなサービスや非日常の体験を提案することで再訪を促す。


(設問2)

B社の良き伝統を維持しつつ、新規顧客を取り込むためのプロモーション戦略について50字以内で答えよ。

 旅行代理店や観光案内所と提携し、和風旅館に興味ある外国人にB社の伝統と外国語対応を訴求する。


問5(30点)

H温泉組合は集客力を高めるために、地元の資源を活用できるような、協業をベースとした新規事業を考えている。どのような新規事業が考えられるか。それぞれ100字以内で答えよ。

 ・地元農家とH温泉組合加盟の宿が提携し、宿泊といちご狩り・みかん狩りをセットにしたプランを作る。互いに補完することでサービスの付加価値を高め、潜在的顧客を増加させるのが狙いである。

 ・地元農家のハウス栽培や有機栽培等のこだわり食材を組合加盟の宿で直売し、宿泊客やアウトレットモールの客に宣伝する。食材を売りにしてH温泉への来客を増やす事と、宿泊客の満足度向上による囲い込みが狙いである。



<問題を解いた思考プロセス>

問1

10点問題、しかも30字だから考えすぎない。強みを抜き出せばOK

「きめ細かい対応」は外せないので、与件文抜き出しで丁寧に1つ仕上げよう。

もう一つはビジョンが明確でブレない施策(本が読める空間とか、地産地消の食事とか)を行ってる点だから、コンセプトが明確な点と指摘しよう。「心を和ませる静寂への誘い」を抜き出すと文字数オーバーなので「非日常」を使おう


問2

外資ホテルに客を奪われた&分譲マンションに客を奪われた の2つが骨子。

肉付けは、外資ホテル⇒価格が安いから奪われた、分譲マンション⇒定年後の老夫婦が宿泊よりマンションを選んだ、という点が伝わるように書こう


問3

仲居の決め細やかさが失われる、で1つ。あと1つなんだろう・・・ (問4、5を先に考えた後で)和洋折衷になると和風旅館のコンセプトがブレないか? あと、洋風といえばホテル、ホテルといえばライバルの外国資本ホテル⇒競争激化してしまう。よし、これで文章を作ろう


「仲居が1人1部屋担当する決め細やかさ」・・・長い! けどタキプロPDFに書いてあったバントバントバントの考えで、問1と重なってもいいから伝わる文章を書こう。和洋折衷の方はコンセプトがぶれた結果、和風を求める客への訴求力が減る点と、温泉ホテルとの競合激化で。



問4-1

手書き最高! ゴールは既存顧客がもう一度ホテルに泊まること。そのための手段として手書きDMを使う。それじゃ、DMで何を訴求するか? B社の強みのきめ細やかさや非日常が味わえるコンセプトを伝えることだと思う。 ・・・抽象的だし、そもそも宿泊経験ある人はその強みを知っているような気もするけど・・・・・・


問4-2

裕福な外国人で、和風旅館の風情を求める人が観光案内所に問い合わせている。 これが答えだ! また、外国人は旅行代理店経由で温泉ホテルに宿泊しているので、旅行代理店も外せない。つまり、旅行代理店+観光案内所へのアプローチをすることで新規顧客(外国人)を掴むことが重要


では何を訴求するか? 和風旅館の風情さを求めているのだから、B社の伝統を伝えてイメージアップしたい。あと、宿泊する時に外国語対応しているかどうか不安だろうし、外国語対応OKである事をPRしよう。(中小企業白書2011に外国語対応で成功したホテルのコラムがあったな・・・)


問5

B社を離れてH温泉組合の話になった。B社の話を書いても点にならないぞ、注意! 外せないのは「特にいちごやみかん」とわざわざ強調している点。イチゴ狩り・みかん狩りの提案は鉄板だと思う。


漠然としている問題なので「誰に・何を・どのように」を意識した解答を作ろう

まずは果物狩りをしている農家と温泉宿の連携。50字くらいしか埋まらないので、後半は「狙い」を書くことで説得力ある解答にしよう。この場合は農家と温泉宿のシナジー効果が発生し、「宿泊ONLYの客が果物狩りもするようになった」「果物狩りONLYの客が宿泊もするようになった」といった顧客の掘り起こし効果が期待できそうだ


もう一つはB社が昔からの客のみに食材を売っている点が使えそう。直売所をやればいい! ハウス栽培が盛んだし、有機栽培もあり、高付加価値な地元食材が揃っている。与件文を抜きすぎると文字数オーバーになるので「ハウス栽培や有機栽培等のこだわり食材」という表現にして、温泉宿での直売の提案をする。また、宿泊客だけでは集客力が弱いので、今まで使っていなかったアウトレットモールを使おう。アウトレットモールの客を引き寄せられたら集客力が上がりそうだ。


だからもう一つの解答は、アウトレットモールの客と宿泊客を対象にして、前者はH温泉へ来る客数を増やすために使い、後者は満足度UPによる囲い込み効果を狙う、ということでまとめよう。





全ての解答を書き終わった時点で残り11分でした。

振り返ると具体性に欠けたと感じる部分や、論理飛躍をしてしまったと感じる部分がありますが、B~Aくらいの解答を作れたのではないかと考えています。


「こういった考え方をすればより点が取れる/深い解答になる」

「この考え方は減点や採点対象外になるリスクとなる」


例えば上記のようなアドバイスがありましたら、どうかよろしくお願い致します。

長文、失礼しました。