$大櫛エリカオフィシャルブログ「ココチのイイヒ」Powered by Ameba

21歳から始めたボディボード。

その当時所属していた、広末涼子さんの事務所の社長さんに、
「キミは肌が黒いから、スポーツを真剣にやってみたらどうだ?」っといってくれた。

なんせ、それまでは焼いてはいけないというのが鉄則だと思っていたから最高にうれしかった。

歌手活動していた頃なんて、‘日焼けサロン’に行くな!
っと怒られたこともあって
「ふんだ!私の肌は、日焼けサロン無用のタダなんだから!!」っと、腹たったこともある。

だから、それまでしていた、‘ボディボード’を真剣にすることにした。
ボディボードの‘真剣’って、いまいち分りにくい。
だって、もともと南国のスポーツだし、フランクに楽しくエンジョイするのが波乗りだと思っていたから、どうしよう。。

色々調べて見ると、あった!!!あったの!!
NSA検定っというのが!
3級を持っていると、公式にプロと闘える大会に出られる資格が得られる。
よし!目指してみよう!

ところがこの資格が、意外に難しくて、‘フェイスでスピン’というが鉄則!
波の一番いいポイントで、360度横に回転しなければいけない。

ンンーーーーーー。難しい。。。

当時は波が来てまっすぐにしか進めなくて、次のステップで、初めて波に乗る、ターン、カットバク、そして、ランクアップして、ようやくスピン。

それを短期間でやるなんて無理!??

でもやるしかない!

毎日毎日、横浜から湘南に向かった。

海友達もいないし、毎日あいている人もいないし、いつも一人だった。
たまに、週末は今の旦那さん、‘おさむちゃん’が付き合ってくれたけど、おさむちゃんは、25メートルプールで、足をついてしまう、‘ダサいカナヅチ’なので、応援専門でした。

海で、スピンをしている人を見つけると、勇気をだして声をかけてみた。
「すみませーーん。スピンってどうやるんですか?」
海に来ている人は、だいたい優しく教えてくれた。

で、、も、、全然できない。

っていうか、ターンもできない。

まず、もっと海になれなくっちゃ!

何ヶ月も何ヶ月も練習した。
海から帰っても‘小池葵’さんのDVD見てクッション重ねて練習した。
冬になる頃、おさむちゃんも、見る専門者として、プロっぽくなってきて、ビデオの撮り方もうまくなり、うまい人から技術を盗み、私に教えてくれた。
冬用ウエットスーツもプレゼントしてくれた。


そうして、一年ようやく、海になれてきて、テストを受けてみたが、、、結果は、×
その次の年も静岡に一人合宿したのに、ダメだった。

情けなかった。
これ以上どんな練習があるのか分らなかったし、明らかに時間が必要だった。


もうダメかもしれない。
いい加減に事務所の社長も怒っているかもしれない。どうしよう。

そして、全精力を使って、
2004年9月24日、福島の南相馬市カラス浜に向かった。

私の誕生日が9月25日だったし、勝手に縁も感じた。
金曜日の仕事終わりで、おさむちゃんが、車で5時間かけて運転してくれた。
疲れていただろうけど、文句一ついわずいつも応援してくれてたなあ。


緊迫した精神状態で日々過ごしていたけど
福島のやわらかい雰囲気で、一機に癒されたのを覚えてる。
いい街だった。風が優しく吹いていて、穏やかに時間が過ぎていくような、
そんな街だった。


前日に少し練習してから、近くのサーフショップによってみた。
おっちゃんが、相手してくれて、東京から来たことなど話して分かれた。
おっちゃんの少し訛った話し方が好きだったし、リラックスした気持ちにもなれて、明日はきっといい日になるだろう。いや、いい日にしなくちゃ。


いざ、当日になってみると、大会独特の緊迫感や緊張感にまた飲み込まれそうになった。
10分の与えられた時間にチャレンジは6回まで。
フェイススピンをする。

この日は風も強くて波も良くない。フェイスも見つけるのが難しい。
どうしよう。
スタートする前、おさむちゃんが、「最後の10秒まで諦めちゃだめだよ」といってくれた
ジャッジしてくれる大会の方々と目が合った!おっちゃんだ!!

よーーし。闘うよ!

一回目。二回目。ダメだった。

体力も時間ももったいないから、いい波を選んでチャレンジしよう!
三回四回、ダメだった。
スピンはできても、フェイスじゃなかったみたい。

まただめかもしれない。

そうこうしているうちに、アナウンスが流れた。
「残り時間1分」えーーーーーーー!!!!!

波こい!波こい!!

いいや!もう、これに乗っちゃえ!
アナウンス「残り10,9,8,7、」
カウントダウンに入った。

一応回った。


どうだろう。。

おっちゃんが、面目なさそうな顔つきでこっちに歩いてきた。
あーーーあーーー。またダメか。

「もっと焦らずしないと、波も選らばなっくっちゃ。
一応今回は、

合格ね!」


エーーーーーーーーーーーーーー!!!


やった!やった!やったーーー!
最高の誕生日プレゼントだよ!
二人で、泣いて喜んだ!
3年間の努力が報われた瞬間だった。

こんなステキな想い出のある街が、おっちゃんが、
ちゃんと逃げれたかな?おっちゃんとおっちゃんの家族も逃げられたかな?

あの日のあの景色は忘れません。