元カノとの暗いBARでの長い夜 | 奥さま聞いてよ!妻を愛す恋愛体質夫の生活      変なタイトルだけど意外にも長編私小説なのです

元カノとの暗いBARでの長い夜

奥さま、聞いて下さい・・・。

そして私を叱って下さい・・・。

 

 

 

元カノが愚痴とも相談ともつかぬ話を始めました

 

今カレと一緒に住んでいるが、束縛が激しいこと。

すごく優しくしてくれるが、最近それが暑苦しいこと。

酒の飲み方がまったく違って、相手は酩酊状態に

けっしてならないこと。酩酊した元カノを非難すること。

やたらと両親に会わせたがること。微妙に食事の趣味が

違うこと・・・。

 

全部書いたらキリがないのでやめておきますが

ひたすら今カレのことを否定することをしゃべり続けるのです

最初は“愚痴聞き役”の鉄則を守って、けっして口を挟まず

ひたすら相手の話に合わせて頷いていたのですが、

だんだん大きな疑問が湧いてきました。

  


「そんなに嫌なら何で最初から付き合ったの?」

  

     

元カノはしばらく考え込んでしまいました。

   

 

「最初は良かったんだよね・・・。」

   


そう言ってしばらく黙り込んだ後、急に話を始めました。

 

    


「私、あなたに相当甘えていたんだと思う・・・」

(いまさら分かったのかよ・・・)

    


「あなたは、私が遅く帰っても、たまに朝帰りしても

 何も言わずに無事かどうか確認するだけだったでしょ?

 多少ルーズな部分も同じだったし、親がどうのこうのは

 一切言わなかったし、お酒の飲み方も同じだったし、

 食事の趣味もまったく同じだったし・・・何もかもが

 しっくり行っていたんだよね。なのに別れちゃった・・・」

    

     

「そうだね。俺は振られたね。でも別れ際の親切は感謝してるよ」


「あれは、私も少しだけ未練があったから出来たことなんだよね」


「じゃあ、とりあえず今カレとはまず別れたら?」


「そうだね。そしてあなたと復活・・・なんちゃって・・・無理か」

(おいおい、うれしいのだけど手遅れだぞ


「うーん・・・冗談だろうけど、俺には仮婚約者がいるしなぁ・・・」


「そうだよね。そういえばあなたとはエッチが合わなかったかも」

  


これは一緒に住んでいるときにも少し言われていました。


  
 

 

「そうだね。だんだん回数減って、最後はセックスレスだったもんね」


「うん・・・でも・・・成長したんでしょ?色々と・・・」

(おいおい、まさかその気なのか?)


「まぁ確かに・・・あの時よりは少し違った感じかもね」


 

 

私は悪い悪いと思いながらも、会話の方向がエロチック

方向に流れていくので、だんだんその気になってしまっていました

元カノの話はどう考えても誘っているとしか思えませんでしたし

酒のせいで上気した彼女の顔はこの上なく色っぽかったのです。

彼女は白いシャツを着ていたのですが、姿勢のせいか彼女の

豊かな胸の形を強調するような感じでボタンが外れていました。


健全な男子だったら、このシチュエーションでエッチなことを

考えない方が変だと思うのですが、奥さまはいかが思われますか?

   

  


「じゃあ・・・今日これから試してみる?」

  

  


私はすっかり妻になる女性の存在を忘れ去っていました

ほぼ勝算を持って誘いの水を向けてみました。

ところが・・・


  
  

「だめだよ。彼女がいる人は!」(少し怒りながら)

  

  


だって・・・元カノがその気にさせたんじゃないかぁ~~(涙)

  

    



「私、今日はそういうつもりないよ。あなたのことは今でも

 別格で好きだけどエッチはダメ」

(じゃあ変なこと言わないでくれよ!!!)

   

   

    


「それにね・・・私、実家に帰るんだ、会社辞めて」


「え!?」


「お母さんが病気だから看病する人が必要なんだ・・・」

  

  

  

元カノと母上の仲の良さは以前から聞いていました。

その母上がどうやらガンらしいのです。

元カノの実家は東北某県のかなりの遠隔地です。

実家に帰るとなると再度会うことはほぼ無理です。

  

  


「じゃあ、もう会えないの?」


「うーん・・・たまにはこっち来ることがあるからそのときはね」


「今カレは?」


「ちょうどいいから別れるよ・・・」


  

  

一時はその夜にエッチまでしようかという勢いだったのが、

一転撃沈!エッチは完全拒絶された上に、今後はほぼ

こうやって会うことさえままならない事態に・・・。



そもそも婚約しようという大切な女性がいるのですから、

ショックを受けるほうが間違っているのでしょうが、

そのときの私は確実に落ち込んでいました



気付くと終電がまもなくの時間になっています。

私たち二人は会計を済ませて(もちろん私のおごり)

店を出ました。ヒトケの無い暗い階段を昇りながら

元カノは言いました。


   
  

「私がいなくなるのって・・・ちょっとはショック?」


「ああ、そりゃショックだね」


「じゃあせっかく今日会ったから・・・チューしとく?」


「!?」

  

   


私が身構える間もなく、元カノの方から抱きついてきて

男である私が唇を奪われるような形になりました。

彼女のが私の頬に触れて、香水の“香り”が直接

鼻腔をくすぐった瞬間、私の理性は吹き飛びました


手加減無く力いっぱい元カノを抱きしめた私は、狂ったように

彼女の口を吸い続けました。元カノはまったく拒みませんでした


3分くらい続いたでしょうか。

どちらともなく力を抜いた二人はまた階段を昇りだしました、

そして、地上の出口に着いたところで、元カノは急に

  


「ばいばい!今日はありがとう!会えてよかった!」


  

そう言って走り出し、1人で駅へ向う雑踏の中に消えていきました。


取り残された私は心の整理がつかないまま、歩く余裕も無くなって、

通りかかったタクシーを捕まえて帰宅することに。

  

 

  

こうして微妙な夜は終わりを告げたのです

 

 

   
 

その晩、私がまったく眠れなかったのは言うまでもありません。

あまりに気持ちが高ぶっていたので、久しぶりに欲求を

自力で処理しようとさえ考えました(思いとどまったけど)。


翌日からはまた何事も無く、今の妻との交際が続くのですが、

元カノの話はここでは終わりません。ここからが本番です。

恋愛体質の私が走り出すのはもう少し時間が経った頃でした。


この続きも間を空けずどんどん書きます


しかし・・・このときの元カノって掟破りだと思いませんか?

本当に私は自分自身を抑えるのに必死だったんですから。



書いていてどんどん記憶が蘇ってきました。

今回書いた夜は5年ほど前。一番書きたい夜は

昨年の夏のことです。それまでのエピソードは

それほど多くないので、あと数回でたどり着くと思います。


どうかまた読んで私を叱って下さい。


だって妻には言えませんから・・・。

誰かに言わないと苦しいですから・・・。





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