記事より
高校生年代の指導者に求めたいことがある。そう言うのは、昨年現役を引退し、今大会で初めて解説者として春高バレーを見た古賀幸一郎氏だ。Vリーグでベストリベロに6度も輝いたレジェンドは語る。
「選手はいくらでも情報を持っているし、求めればもっと情報が得られる世代。それは指導者も同様で、ネットを見ればいろいろな練習法や理論が溢れています。知ればその分全部を伝えて、やってみたくなってしまうかもしれませんが、指導者はその膨大な情報をすべて選手に伝えるのではなく、整理して、選手に必要な情報をピックアップして、かみ砕いてわかりやすく伝える。そういう力が求められるはずです」
うまくいかなかったことや相手エースを仕留められなかった要因を、ブロックで跳ぶ位置とレシーブの関係性、具体的なデータや戦術と共に述べる監督は多かった。だがすべてがそうとは限らない。試合中も声を張り上げ叱咤し、敗因を語る際に理由を述べるよりも「ダメだ」と指摘したり、心の甘さを理由にする指導者も少なくなかった。選手のバレーIQが上がったのだから、日々、選手と接する指導者もアップデートしなければならないのは当然のこと。