子供のころ、いや18歳まで私は「歯が弱い」と思っていた。

乳歯の時代からむし歯があって、痛くて眠れないと言って泣くと

親が「今治水」とかいう液体の薬を虫歯に塗ってくれた記憶がある。

 

子供には甘いものをあげるのが当たり前だった時代。

いや今もそうかもしれないけど。

毎日のようにカ〇ピスとかヤ〇ルトとか甘いものをよく飲んだものだ。

麦茶にさえ母は砂糖を入れて飲んでいた。

風呂上りはお決まりのアイス。

仕上げ磨きなんてしてもらったことは一度も無い。

しかもこの頃は歯磨き剤にフッ素も入っていなかったんだよね。

 

父が夜勤のある仕事だったから、母は明け方に父のご飯に世話をしてから眠るので

毎朝私たち姉妹の朝食は子供たちだけで

母が買っておいてくれた菓子パンを食べるのが日常だった。

味噌汁の香りで目が覚めるなんてことはドラマの中だけの出来事だと思っていた。

高校生の時はコーヒーに角砂糖を5つ入れるのが普通だったし、

「ケーキバイキングでケーキ5個は行ける」とか自慢していた。

 

だからむし歯が止まらなかった。

子供心にも「歯医者に来るたび銀歯になっていやだな」と思ったけど

「私は母に似て歯が弱いんだ」と思って諦めていた。

 

歯科衛生士になり、むし歯予防の知識を得るようになって

 

「自分は歯が弱いんじゃない。私の虫歯の原因はお砂糖だったんだ」とやっと気づいた。

23歳の時に結婚が決まって保険で入れた古い銀歯を全部やりかえて

その後少しづつ食生活を見直したり

定期的にメンテナンスに通って

今31年経過したけど一その詰め物はまだ一度もやり替えになっていない。

新たな虫歯もできていない。

 

今はそんなに甘いものが欲しくない。

嫌いじゃないけど「我慢して食べないようにしている」のではなくて

「別に食べたいとも思わない」のだ。

コーヒーもブラックしか飲まない。砂糖入れたらコーヒーの味わからなくなるよね。

 

だからクリスマスも1月の誕生日もケーキは食べなかった。

たぶん買っても食べきれないだろうし。

いつの間にか「砂糖依存」から脱却したんだと思う。

 

そのせいか、とても体は丈夫になった。

子供のころあんなに早退したりお休みをしていたのが嘘のようだ。

 

毎日毎日テレビや雑誌やネットで「スイーツ特集」とか甘いものが「幸せ」というイメージで目に入ってくる。

スーパーのレジ前には子供の目の高さにキャラクター付きのスイーツが並んでいて

誘惑がいっぱいだ。

 

自分の体験から「知識が無いって悲しい」って思う。

歯科衛生士として少しでも多くの人に歯を守るための情報を伝えていきたいと思う。

 

私たち歯科衛生士は生きたクリーニングマシーンでもなく、お掃除のお姉さんでもなく

健康情報を伝えて健康を守る仕事なのだ!!