本当に純粋な村人 | Jam Tun!  Jam Tun!

Jam Tun!  Jam Tun!

Jam Tun! (ジャム タン)とは、プル族の言葉で「平和だけ」ってこと。
あらゆる挨拶をされてもこの「Jam Tun!」って答えればオッケー!
セネガルの大地で青年海外協力隊員として、どっぷりプル族と向き合いながら生きた日々の記録。

私がしばしば通っているP村。その村人の本当に純粋な姿に、考えさせられ感動させられっぱなし。

町から15キロの180人の村。近代化という面ではクサナール近辺で最も遅れているかもしれない。最も電気も水道もなく50メートルの井戸から水を汲んで生活している。

ほぼ完全な自給自足が成り立っているので、この村ではお金はあまり価値がない。贅沢をせず身の丈にあった、つつましい生活をしている。

誰も学校に通っていないので読み書きはできないし、誰もフランス語を話せないけど、他の村と取引をするわけでもなく特に困っていない。

Jam Tun!  Jam Tun!

村に行き現地語で会話する私を心から歓迎してくれ、喜んでくれる。まったく警戒心も持たず、純粋に興味を示してくれて、話を真剣に聞いてくれるし、話をしてくれる。笑顔があふれ、笑い声が絶えない。「金くれ!」「なんかくれ!」とか絶対に言わない。

親の働く姿を小さいころから見て真似て学んでいく。雨季には畑仕事をして、1年分の食料を蓄え、放牧をして大量の家畜と共に生活する。長い年月をかけて作り上げた彼らなりの生活サイクルがある。民族としての誇りがある。学校教育は受けてないけど、生きていく知恵をいっぱいもっている。生きるために働き、生きるために自然と向き合い、生きるために学ぶ。複数家族が助け合いながら、それぞれの役割を果たしながら生活している。生活に必要な分だけ働き、それ以外は、楽しくおしゃべりしたり、子供同士で遊んだり。1日村人と一緒にいると、本当に心がきれいになるような。本当に穏やかに生活していて、外国人の俺を受けいれていろんなことを教えてくれる。

Jam Tun!  Jam Tun!

経済という側面から見て、我々は豊かかどうかを判断してきた。でもここでの生活をみていると幸せって何?豊かって何?って考えさせられる。お金なんて何の役にも立たない紙切れでしかない。学校教育により「経済」という視点を知り、世界を知り格差を知ってしまうとお金に対して欲が出て、「金くれ」「援助してくれ」って感情が出てきて腹黒くなる町の人を見ていると、学校教育が本当に全ての人に必要なのかも疑問がわく。ここの人にとってこれでいいんじゃないかと。先進国からの一方的な援助の押し売りなどによって壊してはいけない生活に思えてくる。



そんな新たな価値観をおすそ分けしてもらって、いっぱいの笑顔をもらえて幸せです。活動と言えるのかわからないけど、私がこの村に行って、いろんな話をして喜んでもらえて新たな興味を提供できるだけで、行ってる意味もあるのかなあと思える。大事なものを壊さず、保健衛生面とか、新たな楽しみの創出とか、そんなお手伝いができればなと思う。